埼玉県坂戸市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)⑮
申請No.15
申請日:2020年8月3日
申請/実施責任者:坂戸市役所 環境政策課
場所:埼玉県坂戸市
居住者: 当事者(51歳、女、配送センター勤務)、同居人(68歳、男、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:33頭(未手術の猫26頭、手術済みの猫4頭、捕獲時に産まれた子猫3頭)
手術日:8月15日、29日
協力病院:おおにし動物病院、堀どうぶつ病院
チケット発行数:28枚(申請時は子猫11頭、成猫17頭と把握しており28頭分を申請)
手術頭数:26頭(捕獲時に未手術の猫は子猫10頭、成猫16頭の計26頭と判明)
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
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- 10年前に飼い猫1頭を連れて坂戸市に引っ越してきた。
- 当初は飼い猫1頭であったが、10年前から外で餌やりをしていた野良猫が交配を繰り返し増えていった。
- その猫を室内で飼育するようになり、近親交配を繰り返して33頭までに増えた。
- 当事者から協働ボランティアを通じて市に不妊手術の依頼があった。
- 猫用トイレは設置しているが、頭数が多くトイレ以外の場所でも排泄している状態。また、猫用の餌が高いため、カリカリと白米を与えている。
- 当初、全頭の手術を「堀どうぶつ病院」に依頼する予定であったが、体重制限により子猫の手術が難しいことが判明。
- そこで、子猫の手術が可能な「おおにし動物病院」に全頭の手術を打診したがスケジュールが合わず、やむなく、子猫は「おおにし動物病院」、成猫は「堀どうぶつ病院」に分けて手術を実施した。
- 未手術の猫は子猫11頭、成猫17頭の計28頭と申請があったが、捕獲時に子猫10頭、成猫16頭の計26頭と発覚。
- 当事者は現在の家に住み続け、猫は全頭当事者が飼育を継続する。部屋は畳や壁、障子などが傷んでいるため清掃を実施し修繕等を検討。衛生的な環境を維持するため、こまめに清掃を実施する。
- 当事者とは猫をこれ以上増やさないことや適正飼養について誓約書を取り交わし、定期的に飼養状況の確認調査を行う。
- ミルクボランティアに預けている子猫は、里親探しを検討中(手術は里親にて実施頂く)
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
8月15日 | 5 | 5 | 0 | 10 |
8月29日 | 9 | 4 | 3 | 16 |
計 | 14 | 9 | 3 | 26 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
この度は、多頭飼育救済チケットを発行していただきありがとうございました。手術ができる猫については、全頭手術ができました。当事者が猫の頭数を正確に分かっておらず頭数把握が難航し、また捕獲も網を使うなど試行錯誤しながらの実施でしたが、皆さんの協力もあり今回の結果に繋がりました。
捕獲・手術までスムーズに進めるため、当事者が容易に捕獲できるといった子猫の手術を優先し、その後に成猫の捕獲・手術を行いました。しかし、妊娠している猫がいることを把握できておらず、捕獲時に出産してしまうという想定外の事態となったことが反省点です。メス猫を優先して手術することを検討するべきでした。
どうぶつ基金スタッフコメント
当初の飼い猫が不妊手術済みだったかは不明ですが、外で餌やりをしていた野良猫を室内で飼育すると決めた時に不妊手術をしていれば避けられた事態です。その時点であれば頭数はまだ少なく、手術費用の捻出も可能だったのではと悔やまれてなりません。
一部の猫には近親交配によるものと考えられる異常が見つかっています。今後、医療面でのケアが必要となる猫もいるでしょう。全ての猫がその寿命を全うできるよう、当事者には愛情を持ってその責任を果たしてほしいと思います。今後も行政による定期的なチェックが実施されますが、決して同じことが繰り返されないよう適切な指導が望まれます。
現場 | オス | メス | 性別不明 | 耳カットのみ | 合計 |