神奈川県綾瀬市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)㉘

申請No.28
申請日:2020年10月23日
申請/実施責任者:神奈川県厚木保健福祉事務所大和センター 環境衛生課
場所:神奈川県綾瀬市
居住者:当事者(妻、49歳)、夫(55歳、会社員)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:54頭(当初、子猫4頭を含め40頭程度と把握)
手術日:11月10日、16日、18日、19日、24日
協力病院:山口獣医科病院
チケット発行数:36枚(当初の想定40頭から子猫4頭を除く成猫分を申請)
手術頭数:36頭

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

    1. 当事者は20年前に保護猫や知り合いから譲り受けた猫を10頭ほど飼育していた。
    2. 不妊手術をほとんど実施しておらず、少しずつ増えて現在に至る。
    3. コロナ禍の影響で経済的に困窮しており、当事者が自力で不妊手術を行うことは難しい状況。
    4. 2020年9月14日、市民から神奈川県厚木保健福祉事務所大和センターあてに猫を多頭飼育している家があり臭いに迷惑しているという苦情あり。この苦情をきっかけとして現地調査が行われ、多頭飼育崩壊であることが判明した。
    5. 申請当初は猫の総数を正確に把握できておらず、約40頭(うち子猫4頭)と想定して36枚のチケットを申請。しかし、実際は54頭だった。
    6. チケットはすべて使用し成猫36頭に不妊手術を実施。子猫4頭も手術可能であったことから、未手術の猫18頭を対象に2回目の支援申請に至った。
      ※綾瀬市2回目のレポートはこちら
    7. 申請当時、コロナ禍の影響で無職であった当事者も11月に入り仕事に復帰。家族もコロナ禍の影響で収入が減少していたが少しずつ仕事が増えてきている。
    8. 猫は引き続き当事者宅で飼育を継続するが、若い猫数頭は当事者の知り合いへ譲渡予定。
    9. 家自体は片付いているが、猫のスプレー行為による臭いが残っているため消臭の徹底をしていく。
手術日 オス メス 耳カットのみ
11月10日 0 7 0 7
11月16日 6 0 0 6
11月18日 5 3 0 8
11月19日 3 3 0 6
11月24日 7 2 0 9
21 15 0 36

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
現地調査で猫の頭数を正確に把握することができず、未手術の成猫18頭の追加チケット申請が必要となってしまいました。多頭飼育救済において、正確に頭数を把握することがどれだけ重要なことかを改めて認識しました。


どうぶつ基金スタッフコメント
支援前の写真を見ると、他の現場と比較して室内はまだきれいに保たれている印象です。発覚のきっかけとなった臭いまでは分かりませんが、当事者は飼育環境がこれ以上悪化しないよう努めていたのかもしれません。
保護猫や知人から譲り受けた猫を飼い始めた20年前に不妊手術の必要性を認識できていれば、どこにでもいる猫好きの家族として過ごしていたのではないでしょうか。当事者はコロナ禍から抜け出しつつあるようですが、今回の支援をきっかけに猫の譲渡を進め、残った猫たちの終生飼養に全力を注ぐ責任があります。その責任を果たせるよう、今後も行政の継続的な関わりを求めます。
今回の現場はボランティアの関与がなく行政のみで対応しており、正確な頭数把握が難しかったかもしれません。しかし、多頭飼育崩壊は一度で全頭に不妊手術を実施することが重要。可能な限り正確に現場の猫の数を把握する、他行政にも参考にしてほしいポイントです。


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現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計