富山県富山市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)㊳
申請No.38
申請日:2020年12月2日
申請/実施責任者:富山市保健所 生活衛生課
場所:富山県富山市
居住者:当事者(60代、男性、パート)、配偶者(60代、女性、パート)、長男(30代、無職)、次男(30代、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:21頭(12頭はすでに手術済。申請時18頭だったが、手術前に子猫3頭が生まれ合計21頭となった)
手術日:1月5日、2月2日
協力病院:アスラン動物病院
チケット発行数:6枚
手術頭数:5頭(1頭は健康状態により手術できず)
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
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- 8年ほど前、他人の納屋に捨てられた子猫や近隣で捨てられた猫を保護したのが始まりである。
- 人に譲渡する予定で5頭を保護していたが、譲渡先に断られるなどして飼養を継続。そのうち徐々に頭数が増え、最終的に18頭になってしまった。
- 12頭は不妊手術を行ったが、残り6頭の手術を行う経済的余裕がない。
- 夫婦は定年を迎えアルバイト、同居の長男と次男は引きこもりの状態である。
- 当事者の三男が他県で就職しており、帰省時した際に実家の猫の頭数増加に驚き、行政に相談をしてきたことが発覚のきっかけとなった。
- 1頭が妊娠しており手術前に子猫3頭を出産(ここで総数が21頭に増加)。この3頭については幸い全頭に譲渡先が見つかった。
- 手術予定6頭のうち、1頭は猫風邪で手術できず。ただし、この1頭については譲渡先が決まっており、譲渡先で体調が回復次第、不妊手術を行う予定である。
- 今回手術をした5頭は、すでに手術済みの12頭とともに当事者が今後も飼養を継続する。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
1月5日 | 4 | 0 | 0 | 4 |
2月2日 | 0 | 1 | 0 | 1 |
計 | 4 | 1 | 0 | 5 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
相談受付時、1頭の猫が妊娠中であり手術前に3頭出産した。
3頭とも譲渡先が見つかったのでよかったが、さらに頭数が増える可能性もあったためもう少し早く手術できればよかったと思う。
どうぶつ基金スタッフコメント
捨てられた猫を見捨てておけなかった、そのような優しい気持ちから保護を始めたことがきっかけで、8年後に多頭飼育崩壊の状態になってしまいました。最近は、捨て猫を保護したものの譲渡がうまく進まず、結果的にかなりの頭数を抱え込んで崩壊に至るケースが目立つように思います。
目の前の命をどうするか、これは非常に難しい問題です。
人として見捨てることが正しいとは決して思いません。ただ、保護するのであれば不妊手術は絶対です。そして、責任を持ってお世話ができる頭数を超えないこと。近年、ボランティアの二次崩壊が増えています。ボランティアは、個人であれ団体であれ、自分たちだけは大丈夫と思わず、常に最適な飼養環境であるかを自問していくことが求められています。
なお、このケースではボランティア団体は介入していません。にもかかわらず、子猫3頭、成猫1頭の譲渡先が早々と決まりました。現場に残る猫は17頭。当事者には、地道に譲渡活動を続けて猫の総数を減らし、彼らが幸せに命を全うすることができるように努めてほしいと思います。
現場 | オス | メス | 性別不明 | 耳カットのみ | 合計 |
①茨城県笠間市 | 6 | 3 | 0 | 0 | 9 |