24_宮崎県宮崎市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.24
申請日:2021年7月13日
申請/実施責任者:宮崎市 保健衛生課
場所:宮崎県宮崎市
居住者: 当事者本人(72歳、男、新聞配達)、妻(73歳、女、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:28頭
手術日:8月21日
協力病院:どうぶつ基金病院(宮崎)
チケット発行数:16枚(12頭は手術済み)
手術頭数:16頭
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 7年ほど前に捨てられていた子猫6頭を保護したのがきっかけ。
- 手術をしなければ増えるのは分かっていたが、金銭的な余裕が無く手術していなかった。
- ここ2~3年は、月に1頭くらいのペースで手術費用の安いオスを優先して手術を行ってきた。
- しかし、現在は自分たちの生活にお金が必要となり、猫の餌を買うことも難しい状況である。
- 当事者の妻の妹から宮崎ねこの会へ猫を助けてほしいと相談が入る。宮崎ねこの会が現場を訪問して多頭飼育を確認、宮崎市保健衛生課(みやざき動物愛護センター)へ相談して発覚した。
- 未手術の猫16頭に不妊手術を行うことができ、現場の猫28頭すべて不妊手術済みとなった。
- 室内清掃が行われ、以前よりは悪臭は軽減された。
- 十分な餌を与えられず痩せていた猫も多かったが、支援後は餌がいきわたるようになり、痩せている猫が減った。
- 完全室内飼いの猫28頭に対してトイレの数が圧倒的に少なかったが、支援前の3倍以上の数のトイレを設置。ある程度、飼育環境が改善された。
- ボランティアが保護した3頭を除く25頭は同じ場所に住み続けるが、機会を設けて譲渡を進めていく予定である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
8月21日 | 0 | 16 | 0 | 16 |
計 | 0 | 16 | 0 | 16 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
予定していた猫については、全て捕獲し問題なく手術を行うことができました。
当事者本人からの聞き取りや獣医師である職員により現場での性別の確認、未手術であるかどうかの確認をしっかり行い頭数の把握ができたのは良い点でした。
当事者宅にいまだ25頭の猫がいる状態であり、これから譲渡に向けた取り組みも進めていかなければならず、時間を要することが懸念されます。
どうぶつ基金スタッフコメント
当事者は不妊手術の必要性も理解しており、ここ数年は何とかオス猫だけでもと、経済的に苦しいなか1頭ずつ不妊手術を受けさせていました。そのため、今回手術を受けた16頭はすべてメス猫でした。当事者なりの努力を感じますが、一旦猫が増えてしまうと繁殖スピードはさらに速く、そして手術費用も高額になります。
このままでは、さらに状況が悪化する可能性がありましたが、親族からの「猫を助けてほしい」という相談が問題解決の大きな一歩となりました。全頭手術済みとなり、3頭はボランティア団体が保護。残る25頭は現場に戻りましたが、飼育環境の改善とともに栄養状態も良くなっているようです。今後、譲渡に向けた取り組みが行われますが、どのような形であれ、当事者と猫たちが穏やかに暮らせることを願います。