17_群馬県渋川市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.17
申請日:2021年6月30日
申請/実施責任者:渋川市 環境政策課
場所:群馬県渋川市
居住者: 当事者本人(男、派遣社員)、妻(職業不明)、子供4人(高校生1人、中学生2人、小学生1人)
居住環境:借家/集合住宅
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:10頭
手術日:7月10日
協力病院:さくら動物病院
チケット発行数:10枚
手術頭数:10頭
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 数年前、当事者が3頭ほど野良猫を家に連れて帰ったことがきっかけ。
- 不妊手術をせずに飼育を続けた結果、10頭に猫が増えている状況。当事者の妻より問合せがあり発覚した。
- 本来であれば、当事者自身が負担して手術等を行うべきであるが、当事者へのヒアリング等を行った結果、このまま当事者の自助努力に任せても状況は改善できず、悪化する一方であると判断。支援の申請に至った。
- 手術前は小さなケージをいくつか設置し、これ以上繁殖しないようオス・メスを分けてそれらのケージに猫を収容していた。ボランティア団体からは、とても窮屈な状態で猫のストレスがたまりやすい状況であるとの意見が出ていた。
- 手術後の猫は当事者宅に戻り、当事者が責任を持って全頭の飼育を継続する。
- 不妊手術をしたことでケージから出して飼育できるようにようになった。猫も自由に行動できるようになり、ストレスの軽減に大きな役割を果たしている。
- ケージの外にもトイレを設置して数を確保、トイレ等の清掃もこまめにできるようになり、衛生環境は改善している。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
7月10日 | 4 | 6 | 0 | 10 |
計 | 4 | 6 | 0 | 10 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
今回、多頭飼育救済支援を申請させていただき、不妊手術を実施したことで、さらなる頭数の増加が起きない状況を作り出すことができました。狭いケージに閉じ込めて飼育する必要がなくなり、猫の飼育環境が改善しただけではなく、当事者にとっても大きな安心感に繋がったことと思います。
多頭飼育当事者は、経済的に困窮しているなど様々な事情を抱えていることが多いため、市として個人の自立の支援という視点も持ちながら、対応していきたいと考えております。
どうぶつ基金スタッフコメント
これ以上の繁殖を防止するためとはいえ、支援前の小さなケージに押し込められた猫たちを見ると何とも言えない気持ちになります。ボランティア団体の指摘どおり、猫たちには多大なストレスがかかっていたことでしょう。支援後の明るくなった猫の表情を見ると、支援が実現して本当に良かったと感じます。
3頭の野良猫を可哀想に思って連れ帰った当事者。最初に不妊手術をしておけば…とは毎回感じることですが、当事者の責任だと放置しても何も解決しません。起きてしまった以上は、どこかで軌道修正しなければ人も猫も不幸になるだけ。人も動物も救うには、動物愛護部局、福祉部局などの行政と民間団体等の幅広い協力が必要不可欠です。