14_福岡県久留米市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.14
申請日:2021年6月10日
申請/実施責任者:久留米市役所 衛生対策課
場所:福岡県久留米市
居住者: 当事者本人(42歳、パート)
居住環境:借家/集合住宅
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:23頭(当初24頭で申請)
手術日:7月7日
協力病院:どうぶつ基金病院(福岡)
チケット発行数:16枚(8頭はすでに手術済み)
手術頭数:14頭(捕獲時に総数23頭であったこと、1頭が捕獲できなかったことから14頭となった)

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 7~8年前に知人が保護した猫を譲り受ける。
  2. 最初は2頭、その後すぐにまた2頭(知人の娘の猫)、合計4頭を飼育し始めた。
  3. 4頭の中にすでに妊娠している猫がいたため、飼育開始数日後に出産。その後も子猫が成長し妊娠、出産を繰り返し増える。
  4. 住宅供給公社サービスに対し、県営住宅の居住者から臭気等の苦情が多く寄せられ当事者へ対応を求めるも改善図れず。供給公社としては強制退去も視野に入れた対応が必要と判断し、市内のボランティア団体に相談を持ち掛け、県営住宅課からも動物管理センターへ相談が寄せられたため関係者で連携して対応を進める運びとなった。
  5. 手術後は市の動物管理センターにて引き取り、獣医師職員にて健康チェックや耳ダニ駆除等を実施。譲渡に向けた管理を行っている。十分な広さの立体ケージに入れ職員が毎日給餌、給水、トイレの世話を実施しているため飼育環境は改善している。
  6. 近隣住民からの苦情や住宅管理部局からの退去の促し等が取り組みの背景となっており、まずは当事者宅から猫を全頭排出する取り組みがほぼ完了した状況。
  7. 現在、転居先が決まりつつあるが、室内のごみの撤去、清掃等、今後は住宅部局主導で当事者との調整が図られていく予定。あまりにもごみの量が多く、しばらく時間を要するものと想定される。
  8. 準備段階で当事者から聴取していた頭数に不確かな部分があったことや、事前の立ち入りに調査による頭数確認(申請枚数)に対し、実際の捕獲の結果1頭少なかったこと。さらに、術日前日に当事者、ボランティア、行政職員で半日かけて捕獲を試みたが、どうしても1頭が確保できなかった。
  9. 未手術の1頭については、当事者にケージを貸出し、継続して捕獲するよう指示しているが、いまだに確保できていない。転居が予定されているためそれまでに確保し、ほかの猫と同様の取り扱いを予定している。
手術日 オス メス 耳カットのみ
7月7日 8 6 0 14
8 6 0 14

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
事前に正確な頭数を把握できておらず、1頭が捕獲できず未使用のチケットが出てしまった。
また、当事者との連絡調整が綿密にできなかったことや、取り組みの工程管理(術前後の室内写真や運搬時写真等)が十分できていなかった点が反省点である。
各個体の性格等により譲渡成立までに時間を要すると思われ、飼養管理に必要な経費が必要となると考えている。


どうぶつ基金スタッフコメント
県営住宅の近隣住民からの苦情によって発覚しました。
当事者は知人からそれぞれ2頭ずつ猫を譲り受けていますが、そのうちの1頭が譲渡後すぐに出産。恐らく他の3頭も未手術の状態であったと思われます。未手術の猫を気軽に譲渡することがどのような結果を招くか、あまりにも譲渡する側の意識が低いことに愕然とします。
多頭飼育崩壊に陥ったこの結果を、猫を譲り渡した知人は知っているのでしょうか。知っていたとしたら、どのように考えているでしょうか。当事者の責任は言うまでもありませんが、譲り渡した側にも同様の責任があると考えます。
当事者が強制退去となるため、猫たちは動物管理センターで保護されました。飼育環境は劇的に改善していますが、行政には今後の譲渡先探しに力を入れていただきたいと思います。


 
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