28_群馬県前橋市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.28
申請日:2021年7月19日
申請/実施責任者:前橋市保健所
場所:群馬県前橋市
居住者: 当事者本人(83歳、男、一人暮らし)、娘・息子がいるが同居していない。
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:20頭
手術日:8月12日
協力病院:ふー動物病院(群馬分院)
チケット発行数:20枚
手術頭数:19頭(1頭幼齢猫のため手術できず)
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 昔から2~3頭いる状況であったが、10年前に息子が家を出て、妻が施設に入った頃から増え始めた。
- 現場で最も高齢の猫は7才。これ以上増えると近所から苦情がくると思い、捕まえて小さなキャリーなどに入れて飼育している。
- 別居している息子が久しぶりに実家に帰った際、猫が増えていることと劣悪な環境にいることを把握。保健所に相談した。
- 保健所からボランティア団体に協力を依頼するようアドバイスがあり、7月17日にボランティア団体が現地訪問。支援が必要な状況であることを確認した。
- 20頭のうち19頭が手術済みとなったが、1頭は幼齢猫のため手術できず。
- ボランティア団体の協力によって整理整頓と清掃が進み、手術後は大きな3段ケージで飼育ができるようになった。
- 今後は親族が定期的に訪問するほか、民生委員などとも協力してネグレクトにならないよう飼育状況を確認していく。
- 幼齢のため未手術となった猫1頭は、ボランティア団体が引き取って里親募集を行う予定。不妊手術を確実に実施すること、完全室内飼育をすることを条件に譲渡することとなっている。
- 里親募集中に手術可能な月齢・大きさになった場合はボランティア団体の費用負担にて不妊手術を実施予定。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
8月12日 | 9 | 10 | 0 | 19 |
計 | 9 | 10 | 0 | 19 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者への説明・説得に苦労した部分もあるが、ボランティア団体とも協働して不妊手術を完了することができた。年金暮らしであるため、アフターケアが心配である。
どうぶつ基金スタッフコメント
身動きもできないような小さなケージに押し込められた猫たち。そのストレスはどれほどのものだったでしょうか。
別居のご子息が帰省した際、その異常に気付いてすぐに保健所へ相談したことから今回の支援が実現しました。最高齢の猫は7歳とのこと。今後は広々としたケージでのんびり過ごしてほしいと思います。
当事者が83歳と高齢であることから今後の飼育に不安は残りますが、親族や民生委員が定期的に訪問し、ネグレクトなどが発生しないよう飼育状況の確認を行っていくそうです。当事者が飼い主としての責任を全うするためにも、周囲の協力は必要不可欠でしょう。
高齢者と一括りにしてはいけませんが、高齢者が動物を飼育することにはやはり問題が付きまといます。ともに生きる存在として、犬や猫の生涯に最後まで責任を負えるのかをよく考えてほしいと思います。