53_山梨県甲斐市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.53
申請日:2021年11月5日
申請/実施責任者:甲斐市 環境課
場所:山梨県甲斐市
居住者:当事者本人(男、87歳、無職)、息子(男、56歳、自営業)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:19頭(18頭で申請があったが、申請後に1頭発見され総数19頭となった)
手術日:2021年11月24日、12月23日、2022年1月27日
協力病院:笛吹どうぶつクリニック
チケット発行数:8枚(申請時の18頭から手術済み4頭と子猫6頭を除く8頭分を申請)
手術頭数:8頭
協働ボランティア:山梨ムスカリハウス
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 2017年の冬頃、庭に来た4頭の野良猫に餌をあげるようになった。
- 餌をあげた猫たちが庭に居つくようになり、その猫が出産し徐々に頭数が増えていった。
- 近隣住民から相談を受けたボランティアからの情報提供により発覚。
- 早急に対応しなければさらに頭数が増え、より深刻な問題を及ぼすと判断したため申請に至る。
- 手術対象の8頭はチケットにて手術済みとなったが、申請後に見つかった1頭が未手術の状態。引き続き介入し、未手術の1頭を保護でき次第、ボランティア負担で不妊手術を実施する予定である。
- 子猫6頭は手術可能月齢に達しておらず、ボランティアが全頭保護した。1頭はすでに譲渡済み、残る5頭は預かりボランティアのもとで過ごしながら里親を探している。
- 5頭の子猫については、里親が見つかれば譲渡先にて手術予定。見つからない場合はボランティア負担で手術予定である。
- 未手術1頭を含む成猫13頭の猫は、今後も当事者が継続して飼育する。
- トイレを数カ所に増やし、寝床やカーテンを設置。衛生環境の改善に努めており、猫が安心して過ごせるよう屋根付きのベランダに改造も行った。術後の猫の健康状態は良好である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
11月24日 | 3 | 0 | 0 | 3 |
12月23日 | 1 | 0 | 0 | 1 |
1月27日 | 1 | 3 | 0 | 4 |
計 | 5 | 3 | 0 | 8 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
ボランティア団体より、初回の捕獲はスムーズに行えたが、その際メス猫に恐怖心を与えてしまったため捕獲が難航してしまったとの報告を受けている。1頭捕獲できていない猫がいるが、引き続きボランティア団体と連携して捕獲・不妊手術をしていく。また、子猫についてもボランティア団体の尽力により全頭譲渡及び譲渡予定である。
どうぶつ基金スタッフコメント
総数19頭の救済支援となりました。子猫6頭は全頭ボランティアが保護し、すでに1頭は譲渡済み、残る5頭も継続して里親探しを行っています。成猫は後から見つかった1頭を除く12頭が手術済みとなり、残る1頭も捕獲でき次第、ボランティアで手術予定と解決の目途が立ちました。ただ、今後も新たな猫が流入する可能性があり、行政の継続的な介入と同居家族やボランティアのフォローが求められます。
また、特に室外飼育の場合、当事者自身は飼っている認識がないのに、周囲から「餌をやっているからあなたの猫だ」と言われて責任を負ってしまうケースも少なくありません。相談を受ける行政には、しっかりと状況を見極めて判断していただきたいと思います。