84_群馬県前橋市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.84
申請日:2022年3月9日
申請/実施責任者:前橋市保健所 衛生検査課
場所:群馬県前橋市
居住者: 当事者本人(66歳、女、無職)、息子(無職)、母(無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:20頭(当初45頭で申請するも実際には20頭しかいなかった)
手術日:2022年3月24日
協力病院:ふー動物病院(群馬分院)
チケット発行数:40枚(手術可能月齢に満たない子猫5頭を除く40頭が対象)
手術頭数:20頭
協働ボランティア名:群馬わんにゃんネットワーク

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 4年前に当事者の夫が亡くなり、寂しさからジモティでメスの猫1頭を譲り受けた。その猫が脱走し、妊娠して戻ってきたことをきっかけに3年前から増え始めた。
  2. 現在、実際に猫のお世話をしているのは当事者の息子である。
  3. 金銭的理由および感情論から不妊手術は全くしていない。多頭飼育状態になるまでの期間が短く、現場には若い猫が多い。
  4. 当事者の知人からの相談、また、ボランティア団体からも市に連絡があり多頭飼育状態であることがが発覚した。
  5. 当事者は行政に対してやや不信感がある様子。現状、猫を手放す気はなく、ボランティア団体の一部の者しか家の中に入れない状況である。
  6. 経済的な余裕がなく事態の長期化が予想されることから、まずは猫の繁殖を抑える必要があることから申請に至る。
  7. 世話をしている当事者家族の話では40頭いるとの話で、現場調査でもかなりの数の猫が確認できたため40頭で申請したが、実際は半分の20頭であった。
  8. チケットにて20頭全頭の手術を行った。猫はすべて当事者宅に戻り、今後適切に猫の世話を行っていく。餌の与え方を改善し、十分な数のトイレを設置したことで衛生環境は改善しており、閉じ込め型の飼育も改善された。
  9. チケット対象外の子猫5頭のうち1頭は死亡。残る4頭については一旦ボランティアに預けられ、すでに譲渡および不妊去勢手術が完了しているとのこと。
手術日 オス メス 耳カットのみ
3月24日 9 11 0 20
9 11 0 20

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
6頭も妊娠中の猫がおり、早急に手術ができたことは幸いだった。また、事前の頭数確認が不十分でどうぶつ基金には迷惑をかけてしまった。


どうぶつ基金スタッフコメント
里親募集で譲り受けたのだと思われますが、きっかけは不妊手術をせずに譲り渡されたメス猫1頭でした。譲り受けた後に不妊手術をしなかった、そして脱走させてしまった当事者にももちろん非はありますが、そもそも、譲渡するなら不妊手術をしておくべきです。安易な譲渡がその後の悲劇を生んだとも言えます。気軽に譲らない、気軽に譲り受けないことは、命あるものに対する最低限の責任ではないでしょうか。
今回の当事者は行政に不信感がある様子でしたが、ボランティア団体がうまく仲介役となることができ、全頭手術までこぎつけることができました。基本的な飼育方法が指導され、衛生環境も改善しているようです。当事者家族は、今回の支援が、行政も含め多くの方の協力によって行われたことを受け止め、同じことを繰り返さないように猫たちのお世話をしっかり継続してほしいと思います。


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