64_千葉県野田市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.64
申請日:2021年12月8日
申請/実施責任者:野田市役所 環境部環境保全課
場所:千葉県野田市
居住者:当事者本人(男、68歳、サービス業)、配偶者(78歳、主婦)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:39頭(うち13頭が手術済み、4頭が獣医師の判断により不妊手術は不要と診断)
手術日:1月28日、29日、2月19日、20日、26日
協力病院:いながき動物病院
チケット発行数:22枚
手術頭数:20頭(衰弱していた1頭、てんかん発作を起こした1頭の計2頭が未手術となった)
協働ボランティア:あいねこ
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 20年ほど前、オスとメスの野良猫2頭を保護して飼い始めた。
- 当初は当事者の配偶者が主に猫のお世話をしていたが、10年ほど前、配偶者が入院したことをきっかけに猫が増え始めた。
- 当事者自ら健康福祉センターに相談したことで多頭飼育が発覚。センターとボランティア団体によって、猫の居場所を雌雄で1階と2階に分けて飼育することや飼育環境の改善指導を行ってきた。
- 39頭のうち13頭は当事者にて手術を行っていたが、当事者は高齢であり、残りの猫の不妊手術費用を工面することは難しく、市に多頭飼育救済支援について相談が寄せられ申請に至った。
- 手術済み13頭と、高齢や病気のため不妊手術は不要と獣医師が判断した4頭を除く22頭分を申請。
- 手術時に衰弱していた1頭とてんかん発作を起こした1頭の計2頭が手術できず。この2頭についてはボランティア団体が保護し、状況をみて手術実施後に里親を探す予定。残りの37頭は当事者が飼育を継続する。
- 手術後は清掃を行うようになり、衛生環境・飼育環境が改善された。猫の健康状態も良くなったように見受けられる。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
1月28日 | 4 | 10 | 0 | 14 |
1月29日 | 1 | 0 | 0 | 1 |
2月19日 | 2 | 1 | 0 | 3 |
2月20日 | 0 | 1 | 0 | 1 |
2月26日 | 0 | 1 | 0 | 1 |
計 | 7 | 13 | 0 | 20 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
22頭の手術を予定していたが、2頭が体調不良のため急遽手術ができなくなり予定通りに進まなかった。
どうぶつ基金スタッフコメント
猫のお世話をしていた配偶者が入院したことをきっかけに猫が増え始めたとのこと。
人間はいつまでも健康で、いつまでも元気ではいられません。誰しも病気やケガをします。その時の備えがいかに重要であるかを思い知らされます。特に、猫や犬など命あるものと一緒に暮らしている方は、自分に万一のことがあった時にその子たちをどうするかを考えるだけではなく、それを誰かに伝えておく必要があります。
増え始めた猫を前に、当事者はどうしてよいか分からなくなったのではないでしょうか。それでも自ら相談し、解決への道筋をつけました。「もっと早くに…」と思う気持ちはありますが、当事者が勇気を出して相談したことで行政やボランティア団体とつながることができ、現場に残る37頭はすべて手術済みとなりました。手術後は清掃も行い、飼育環境も改善されているとのこと。当事者には、猫と問題なく暮らしていた頃を思い出し、現場に残った彼らのお世話をしっかりとしてほしいと思います。