72_群馬県渋川市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.72
申請日:2022年1月14日
申請/実施責任者:渋川市 環境政策課
場所:群馬県渋川市
居住者:当事者本人(男、79歳、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:14頭
手術日:2022年2月25日
協力病院:ふー動物病院
チケット発行数:15枚
手術頭数:14頭(実際は現場に14頭しかいなかったため)
協働ボランティア名:特定非営利活動法人群馬わんにゃんネットワーク

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 3年ほど前に3頭野良猫を保護したのがきっかけ。
  2. かなり以前から野良猫への餌やりを行っていたが、保護した3頭を室内飼育し始めてから、去勢・不妊手術等の適切な繁殖防止の措置を取らなかった為、現在にまで頭数が増加した。
  3. 当事者の生活支援を行う福祉部局からの報告により多頭飼育が発覚。
  4. 当事者は生活保護を受給しており、去勢・不妊手術費を負担することが困難であり、状況を放置しているとさらなる猫の頭数の増加が見込まれるのと、当事者は精神状態が不安定であることから、去勢・不妊手術に対する同意を得られた段階で素早く対応する必要がある為、申請を決定した。
  5. 15枚申請したが、実際は14頭しかおらず、14頭全頭がチケットにより手術済みとなった。
  6. 14頭は当事者宅へ戻り今後も当事者が飼育を継続する。
  7. 部屋の清掃まで実施していない為、衛生環境はあまり変化していないが一部部屋に閉じ込められていた猫を開放した事により、ストレスの軽減に繋がったと思われる。
  8. 今後、適切な餌やり、清潔の保持等を指導していく事で、さらなる飼育環境の改善に繋げていきたい。
手術日 オス メス 耳カットのみ
2月25日 8 6 0 14
8 6 0 14

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
当事者は生活保護を受けており、当事者、ボランティア、生活支援担当の福祉部局と協議の結果、金銭面等から室内の清掃までは実施できませんでした。猫については現状すべての猫を手術した為、今後は餌やり等の指導とともに、室内を清潔に保つように指導を行うなど、改善を図る必要があります。


どうぶつ基金スタッフコメント
過去の事例では、繁殖防止を理由に自由を制限される猫を数多く見てきました。ビニールひもでテーブルの脚に繋がれた猫、立ち上がることもままならない狭いキャリーに押し込められた猫…。
今回、部屋に閉じ込めていた理由は明記されていませんでしたが、一部の猫たちが解放されて自由に移動できるようになり、ストレスも軽減された様子とのこと。これを聞くだけでも少しほっとします。
ただ、今回の支援はあくまで解決のために一歩踏み出したにすぎません。14頭全頭の手術は完了しましたが、経済的な事情から現場の清掃は手つかずで、衛生環境は手術前とあまり変化がないと行政の報告書にはあります。衛生的な飼育環境を整えることは当事者の責務であり、猫の命だけではなく当事者の健康を守るためにも必要不可欠。福祉部局と協力して指導を継続しつつ、当事者が飼育困難となった場合を想定して関係各所と協議しておく等の対応も必要でしょう。


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