23_群馬県藤岡市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.23
申請日:2022年8月10日
申請/実施責任者:藤岡市
場所:群馬県藤岡市
居住者:当事者本人(87歳、女、無職)子(54歳、男、運転手)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:18頭(17頭で申請するも実施時に18頭であったことが判明)
手術日:8月27日
協力病院:ふー動物病院
チケット発行数:17枚
手術頭数:15頭(全18頭のうち子猫3頭が未手術)
協働ボランティア:NPO法人群馬わんにゃんネットワーク
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 1年ほど前、近くの畑に捨てられたいた猫2頭に餌を与えたことがきっかけ。
- 不妊手術をせずにいたところ、最初の2頭から10頭近くまで増加。室内外を行き来している猫もおり、増加と減少はあるものの20頭弱まで増えた。
- 近隣住民からの相談により多頭飼育状態であることが発覚。
- 当事者宅は比較的片付けられており、トイレを複数設置したり餌皿を用意したり、衛生的に問題はない状態。しかし、外に餌を少量まいており管理しきれていない部分もあった。また、猫風邪にかかっている子猫も確認できたため、猫の健康状態に配慮するよう指導を行った。
- 猫を増やしてしまった要因は当事者にあるが、高齢で状況をちゃんと把握できていない。また、同居している家族は仕事をしているため、当事者と猫を管理することは極めて困難である。本件が近隣住民の相談から発覚していること、不妊手術をしなければ今後手に負えなくなる可能性があることを考慮し、状況が悪化する前に申請を行った。
- 17頭で申請していたが、支援時に実際は18頭であったことが判明。18頭のうち15頭が手術済みとなった。未手術の子猫3頭は譲渡され、そのうち2頭は里親により手術済み。残念ながら1頭は体調不良で亡くなった。
- 支援前から衛生環境は比較的良好であったが、ボランティア団体が関わったこともあり、清掃がされ悪臭もほとんどなくなった。猫の健康状態も良くなっている。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
8月27日 | 8 | 7 | 0 | 15 |
計 | 8 | 7 | 0 | 15 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
2枚のチケットが未使用となったが、当事者宅にいる猫すべてに不妊手術を行うことができ、衛生環境を維持することができた。
どうぶつ基金スタッフコメント
支援前の写真では室内は清潔に保たれ、トイレや餌皿もきちんと設置されるなど、いわゆる「多頭飼育崩壊」のイメージからはかけ離れているように感じます。ただ、行政の報告にもあるように「崩壊予備軍」であることは間違いありません。今後を見据えて、現時点で申請を決定した行政の選択は正しかったと言えます。
多頭飼育崩壊は予備軍を含めて早期発見が重要です。そして、そのためには行政と民間の連携が欠かせません。双方が互いに補完しあうことができれば、動物にとって当事者にとって、そして近隣住民にとって最良のかたちで解決できるはずです。