52_群馬県安中市多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 

申請No.52
申請日:2022年12月13日
申請/実施責任者:安中市 環境政策課
場所:群馬県 安中市
居住者:当事者本人(66歳、女、無職)、夫(73歳、入院中)、息子(42歳、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:38頭(32頭で申請するも実施時に38頭と判明)
手術日:1月13日
協力病院:ふー動物病院 群馬分院
チケット発行数:32枚(6頭分の手術費用はボランティア団体が負担した)
手術頭数:32頭
協働ボランティア:NPO法人群馬わんにゃんネットワーク

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 10年以上前から当事者の夫が猫を可愛がっており、野良猫に餌をあげていた。
  2. 多頭飼育状態に陥るまでの期間はよく覚えていないが、猫が可愛くて野良猫1頭に餌を与えていたところ、次第に他の猫も寄り付くようになり餌の量も増えた。野良猫の中で気に入った猫を室内に入れて飼っていたところ、さらに室内で繁殖して増えてしまった。
  3. 隣宅から猫を20~30頭を飼育しているという情報があり、多頭飼育崩壊の心配、糞尿等で迷惑していると連絡があった。その後、動物愛護団体に情報提供を行い、現場を確認して発覚。
  4. 主に夫が飼育していたが脳梗塞で入院してしまい、思ったように猫の飼育ができず飼育状況が日に日に悪化。不妊手術を助言するも、経済的にも手術費用を捻出することが難しい状況。
  5. 猫の状態を見ると、風邪を引いている猫を複数確認でき毛並みが荒れている。室内外の猫、飼い猫の外猫を合わせると30頭を超え、全頭不妊手術をしていない。さらに猫が増えることは、猫や当事者にとっても好ましくない状況であるため申請に至る。
  6. 手術後の猫の健康状態は良好。猫部屋だけでなく、室内全体を掃除したことでアンモニア臭は気にならなくなり、ダンボールで作ったキャットハウスを設置したことで、安心して暮らすことができると思われる。
  7. チケット申請枚数は32頭分であったが、実際には38頭を捕獲。不足した6頭分の手術費用と32頭分の医療費については協働ボランティアが負担した。
  8. 当事者と猫はこのまま同じ場所に住み続ける。
手術日 オス メス 耳カットのみ
1月13日 18 14 0 32
18 14 0 32

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
猫の頭数を正確に把握できなかったことが反省点だが、スムーズに捕獲作業が進み、猫にストレスをかけずに捕獲できたことは高評価である。


どうぶつ基金スタッフコメント
32頭で申請がありましたが、実施時に38頭であることが判明。チケットが不足した6頭分についてはボランティア団体が費用を負担し、全頭手術済みとなりました。この場を借りて感謝を申し上げます。
術後の健康状態も良く、室内は清掃されてキャットハウスも設置されるなど飼育環境も改善されたようです。38頭の猫は、これからも住み慣れた当事者宅で暮らしていきます。猫たちは支援後も室内外を行き来しており、近隣住民に温かく見守ってもらえるかどうかは、今後の当事者の努力にかかっています。多くの方の協力があったことを忘れずに猫たちのお世話をしていってほしいと思います。
多頭飼育崩壊を防ぐ手段は「不妊手術をすること」です。たったこれだけのことなのに、それをしないがために何頭もの不幸な命が生まれます。不妊手術が「当たり前のこと」になる日まで、決して心折れることなく啓発を続けていかなければいけません。


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