45_茨城県神栖市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.45
申請日:2022年11月1日
申請/実施責任者:神栖市 環境課
場所:茨城県 神栖市
居住者:当事者本人(87歳、女、無職)、息子(62歳、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:22頭
手術日:11月8日
協力病院:いながき動物病院 銚子分院
チケット発行数:18枚
手術頭数:18頭
協働ボランティア:個人ボランティア
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 2019年11月頃に知人が亡くなり、知人が飼っていた猫21頭を引き取った。
- 最初は子猫が多く飼育の負担が小さかったが、3年が経過して治療費や餌代等の経済的負担が増加した。また、当事者が高齢であるため飼育の継続が困難になっている。
- 多頭飼育の話を聞いた近隣住民からボランティアを経由して市に情報提供があった。
- 不妊手術の実施、飼育環境改善、猫の里親探しを指導したが、衛生面で問題があり、また、飼育頭数が多いにもかかわらず当事者が高齢であることから申請を決定した。
- 手術後は1頭ずつケージに入れたことで衛生的に飼育できるようになり、1頭ずつ給餌できるようになって餌が確実に行き届くようになった。手術後の猫の健康状態も良い。
- 猫は現場に戻り、当事者が飼育を継続しながら譲渡先を探して頭数を減らしていく。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
11月8日 | 6 | 12 | 0 | 18 |
計 | 6 | 12 | 0 | 18 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
目標としていた全頭の手術が行われたことはとてもよかった。ケージの用意等の準備をもっと円滑に行えればなお良かった。
どうぶつ基金スタッフコメント
知人から21頭の猫を引き取った時点ですでに多頭飼育の状態でした。飼い主が亡くなって行き場に困った猫を引き取るという行為自体は責めるべきではありません。しかし、その時点で当事者も80代です。引き取ったのであれば、その時から猫の行く末を考えて行動すべきでした。
今回の猫たちは完全室内飼育で全頭が手術済み。これ以上、増えることはありません。行政やボランティアの協力を得ながら譲渡先探しを継続し、1頭でも多く新しい家族を見つけてあげてほしいと思います。また、支援後の写真を見ると高さのないケージに入れられている猫もいます。一般の飼い主に規制は適用されていないものの、環境省は目安となる飼育スペースの基準を定めています。閉じ込め方の飼育になっていないか等、基準に少しでも近づくよう、行政には引き続き、継続して指導・見守りを行っていただきたいと思います。