44_鹿児島県さつま町多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 

申請No.44
申請日:2022年11月1日
申請/実施責任者:さつま町役場 町民環境課環境係
場所:鹿児島県さつま町
居住者:当事者本人(78歳、女、無職)、当事者兄(80歳、男、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:45頭
手術日:11月9日、12月14日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:40枚(手術済みの5頭を除く40頭分を申請)
手術頭数:40頭
協働ボランティア:動物愛護団体くるみの森

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 約3年前、敷地内にやってきた野良猫3頭に餌を与えたところ住み着いた。
  2. 住みついた3頭のうち1頭が妊娠しており、生まれた子猫や野良猫などが交配して繁殖。現在の頭数まで増えてしまった。
  3. 動物愛護団体へ情報提供あり。同団体と町が一緒に現場を確認したところ、すでに多頭飼育崩壊の状態であった。
  4. 室内での餌やりや糞尿処理の指導を行い、近隣への迷惑となることを説明したが、当事者自身で解決できる頭数ではないと判断し申請に至る。45頭のうち、手術済みの5頭を除く40頭分を申請した。
  5. トイレが設置され、以前は放置されていた糞尿が片付けられている。餌場も管理されており、徐々に飼育に適した環境になりつつある。
  6. 不妊手術を受けて猫の様子も落ち着いている。支援後、5頭が当事者の親戚に引き取られた。残る40頭は現場に戻り、その寿命を全うするまで当事者が引き続き飼育する。
手術日 オス メス 耳カットのみ
11月9日 9 13 0 22
12月14日 8 10 0 18
17 23 0 40

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
どうぶつ基金、ボランティア、動物病院の協力によって、40頭もの猫の不妊手術を行うことができた。まだ町内に多頭飼育崩壊に該当しそうな事例があるようなので、関係団体と協力して状況把握につとめたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
さつま町は2022年度、本件を含め3件(No.19No.31)の多頭飼育救済支援を申請しています。いずれのケースも猫が増え始める経緯は似ており、①餌をやり始めて住み着く→②室外での餌やりによって周辺の猫が集まり始める→③もといた猫と集まってきた野良猫が交配して一気に増える、といった具合です。
このような事例を見ると、飼い猫か野良猫かに関わらず、その地域に暮らす猫の不妊手術率を上げることがどれほど重要かが分かります。行政には、当事者が新たな猫を引き入れることがないよう頭数や飼育状況を定期的に確認すること、そして、町内のTNRを推し進めていただくことを望みます。


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