58_群馬県吉岡町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.58
申請日:2023年1月18日
申請/実施責任者:吉岡町 住民課
場所:群馬県吉岡町
居住者:当事者本人(55歳、女性、無職)、母(82歳、女性、無職)、長男(32歳、男性、会社員)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:13頭
手術日:2月10日
協力病院:ふー動物病院
チケット発行数:13枚
手術頭数:12頭(室外飼育の猫が1頭捕獲できず)
協働ボランティア:NPO法人群馬わんにゃんネットワーク
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 3年前に知人から譲り受けた雄猫1頭を飼い始めた。
- 多頭飼育状態となったのは2年ほど前からである。室外飼育で庭先で餌を与えていたところ、野良猫が寄りつくようになり、野良猫との間で繁殖し頭数が増えていった。
- ボランティア団体から町に情報提供があり発覚。残った餌を放置していたため、餌やり後は片付けるように指導。
- 当事者と町、ボランティア団体が協議した結果、深刻な状態になる前に解決しようと申請に至る。
- 室外飼育の1頭が捕獲できず未手術となった。手術済みの12頭は全頭現場に戻り、当事者が飼育を継続する。未手術の1頭については、見つかり次第、不妊手術を実施する予定。
- 猫は健康に過ごしており、猫の活動スペースを確保できたことでストレスを与えない飼育環境が整備されている。また、現場は清潔に保たれ、臭いについても実施前より改善された。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
2月10日 | 3 | 9 | 0 | 12 |
計 | 3 | 9 | 0 | 12 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
今回が2回目の事業となる。準備、捕獲、手術等は特に問題なく実施できた。しかしながら1頭捕獲できなかった猫がおり、かつメス猫であるため、まだ繁殖する可能性があることが気がかりである。引き続き、当事者には注視してもらい、見つかり次第手術を実施したい。
どうぶつ基金スタッフコメント
支援前の写真から飼育環境は比較的良好であったことが伺えますが、これまでに支援した多頭飼育崩壊の事例を見てみると、ある時点から爆発的に頭数が増えるケースが多くあります。急激な頭数増でそれまでできていたお世話が追い付かなくなり、飼育環境や衛生環境が悪化していくのです。
未手術の猫13頭が室内外を自由に行き来している状況を考えれば、本件も近い将来そのような状況に陥る可能性が容易に想像できました。現時点で支援の手が入ったことは、当事者にとっても、猫にとっても、地域にとっても良かったと思います。
ただ、行政も気がかりな点としてあげているように室内飼育の1頭が未手術となっています。また、猫が増えた経緯を考えると、周辺の野良猫の生息状況やTNRの進捗度も気になります。残る1頭の手術を実施することはもちろんですが、周辺の野良猫のTNRに積極的に取り組むことが、多頭飼育崩壊の発生・再発防止と周辺の環境改善にもつながるのではないでしょうか。