7_北海道帯広市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.7
申請日:2023年4月18日
申請/実施責任者:帯広市都市環境部 環境室環境課
場所:北海道 帯広市
居住者:当事者本人(女性、58歳、看護師兼パート)
居住環境:貸家/アパート
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:48頭(当初51頭で申請したが実際は48頭であった)
手術日:4月25日、5月2日、5月19日、6月15日、6月26日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:42枚(申請時の総数51頭のうち子猫3頭と手術済み6頭を除く42頭分を申請)
手術頭数:30頭(12頭は健康状態等により手術不可となった)
協働ボランティア:NPO法人猫と人を繋ぐツキネコ北海道

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 当事者が倒れて入院中のため詳細は不明であるが、猫の推定年齢から5年以上前から飼育していたと思われる。
  2. 野良猫を保護し自宅に入れたが、不妊手術をしていなかったことから頭数が増えたようである。
  3. 当事者が勤務中に倒れて入院。その連絡が親族に入り、自宅に立ち入ったところ多数の猫がいることがわかった。自宅内もゴミや糞尿が散乱、悪臭が立ち込めており各行政機関に相談し多頭飼育が発覚。
  4. 当事者は入院していたため連絡をとることは叶わず、申請前に指導はできていない。
  5. 当事者及び親族の経済状況から自費での不妊手術は難しいと判断し、申請に至る。
  6. 当初、現場の猫の総数は子猫3頭含む51頭としていたが実際は48頭であった。手術済みの6頭をのぞく42頭分のチケットを申請しており、30頭の不妊手術を行うことができた。
  7. 栄養状態が悪い、感染症の症状が酷い、出産してしまった等の理由により12頭が未手術となったが、この12頭についてはボランティア団体の費用負担により手術予定である。
  8. 当事者は入院後、後遺症が残りリハビリ中。今後は元の住居に戻らず、賃貸住居は退去を予定している。猫は全頭ボランティアが保護し、団体施設およびボランティア自宅へ分散させたため、多頭でのストレスは軽減された。感染症の症状が酷い猫については治療継続中。最終的にボランティア団体の費用負担により全頭手術済み。
手術日オスメス耳カットのみ
4月25日38011
5月2日1405
5月19日5106
6月15日0404
6月26日4004
1317030

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者が病気で何もできないなか、市内ボランティア、また札幌市のボランティア団体に保護してもらうことになりました。ひとまず、全頭保護してもらうことができて安心しています。
保護後、体調が悪く亡くなってしまった猫が多くいたと聞いており、残念ではありますが、適正に飼育されていなかった結果だと思います。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者が勤務先で倒れるという不幸な状況から発覚した多頭飼育崩壊でした。同様のケースでは、自宅に犬や猫が取り残されたまま誰にも発見されず、見つかった時には大半が亡くなっているということも少なくありません。親族によって早期に発見され、当事者が飼育を継続することが困難な状況で、全頭が保護されたことは不幸中の幸いでした。
行政も当事者に直接コンタクトできておらず詳細はほぼ不明ですが、野良猫を保護したことが発端であれば、最初は優しい気持ちから始まったことなのだろうと思います。その気持ちがあったのなら、48頭にまで増えてしまう前にどこかに誰かに相談してほしかったと残念でなりません。


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