10_鹿児島県阿久根市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)  

申請No.10
申請日:2023年4月26日
申請/実施責任者:阿久根市 市民環境課
場所:鹿児島県阿久根市
居住者:当事者本人(81歳 女 無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:20頭
手術日:5月22日、6月19日、7月20日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:20枚
手術頭数:20頭
協働ボランティア:個人ボランティア

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 約20年前に野良猫5頭に餌を与えていたが、1年もしないうちにその数が増えて自宅の敷地内に住み着いた。その猫たちに不妊手術を施さなかったため無秩序に繁殖し、20頭まで増えた。
  2. 当事者も困ってはいたものの、どうしてよいのか分からずにいたところ、たまたま個人ボランティアが見つけて2023年3月頃に発覚。
  3. 市は本人宅へ訪問し、近隣住民からの苦情があることを伝え、これ以上増やさないよう不妊手術を実施するよう指導。県の保健所も市と同様の内容を2回訪問し指導した。
  4. 当事者は年金収入のみであり、経済的理由から自身の負担での不妊手術が難しく、自宅もごみ屋敷の状態である。また、近隣住民が長年迷惑し悩んでいたことから、今後の改善に向けて不妊手術を実施し、繁殖を防止することで地域の公衆衛生の向上に寄与するものと思われ申請に至った。
  5. 支援前は室内と屋外にごみが散乱、常に餌を外に出しており、不衛生な状況であった。また当事者本人に認知症の疑いがあり、訪問するたびにごみが増えている印象もあった。訪問のたびに環境部局で指導を行ったが改善されなかったため、福祉・介護部局からのフォローアップに繋げた。支援後はごみの片付け、給餌の時間を決めるなどの改善が多少見られるようになったが、十分ではないため、今後も関係機関と連携して支援に当たる。
  6. 不妊手術を施したことで、発情がおさまり落ち着いている様子だった。適正にエサも与えられているので健康状態も良好である。
  7. 基本的に屋外の敷地内にいるので、運動スペースについては問題ないがトイレについては指導して設置した。少ない年金の中でも、猫のためにエサ代を捻出しようとシルバー人材センターへ月に2回程度働きに出るため、愛情を感じられた。当事者と全頭手術済みの猫は、このまま同じ場所に住み続ける。
手術日 オス メス 耳カットのみ
5月22日 3 5 0 8
6月19日 5 2 0 7
7月20日 3 2 0 5
11 9 0 20

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
対応いただけるボランティアさんは現状1名と一人に大きな負担がかかっている状況であるため、行政としての負担軽減が図れていなかった。
このこともあり、2ヶ月間というチケットの有効期限をいっぱいいっぱいに使って手術を行ったため、早急な対応ができたとは言えないところであった。
周辺住民は長く当事者に大変悩まされていたようで、今回どうぶつ基金の事業を活用して改善できたこと、周辺住民からも一定の評価と理解をいただいた。


どうぶつ基金スタッフコメント
不妊手術をしていなければ猫はどんどん増えていきます。報告からもありますが、現場の写真を見ても多少の改善であり、まだ衛生的な状況には改善の余地があります。愛情があっても適切に飼育できなければ飼い主の責任を果たしているとはいえません。ひとまず全頭が不妊手術済みとなりましたが、頭数も多いため、引き続き行政には指導と見守りを継続していただきたいと思います。


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