40_奈良県五條市多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 

申請No.40
申請日:2023年9月1日
申請/実施責任者:五條市 環境政策課
場所:奈良県五條市
居住者:当事者本人(36歳、男、自営業)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:43頭
手術日:11月6日
協力病院:北摂TNRサポート のらねこさんの手術室
チケット発行数:29枚(14頭はすでに不妊手術済のため)
手術頭数:25頭(不妊手術前に1頭が亡くなり、3頭は譲渡先が見つかったため)
協働ボランティア:はしもとさくら猫の会和歌にゃんず五條支部

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 13年前、当時飼っていた猫が亡くなった時に同じ病院で知り合った人から不妊手術済みのメス猫を1頭譲り受けた。
  2. 9年前、道路に遺棄された野良猫を1頭、8年前にも1頭を保護し飼育。4年前に店舗付近に捨てられていた猫1頭を保護、その猫たちは不妊手術をしていなかったため繁殖し急激に増えていった。
  3. 協働ボランティア団体が開催した譲渡会に、里親希望で来た方の家に譲渡対象の猫を連れて訪問した際、近所で多頭飼育の所があると教えられ立ち寄ったことで発覚。
  4. 全頭43頭のうち、14頭は不妊手術済みであった。オス猫とメス猫のケージをわけて飼育していたが、この飼育方法には限界があり、未手術のオス猫をケージに閉じ込めっぱなしになっていることは、上下運動を好む猫の飼育方法として適していないため、2段のケージを準備した。未手術のメス猫は、室内でフリーだが発情をくり返しており、未手術のオス猫がケージを壊した事によりメス猫が妊娠・出産するも子猫は食べられて育たなかったと聞いたため、全頭にかなりのストレスがあると思われた。
  5. 経済的な理由により当事者本人の費用負担により全頭の不妊手術は厳しい状況であった。早急に処置をしなければ、今後さらに頭数が増えさらに深刻な状況となることが考えられるため申請に至った。
  6. 不妊手術後、マーキングが減り臭いが変わったことや、発情がなくなり猫の状態も穏やかになったことでケージから出され、運動ができるようになった。
  7. 29頭の手術を予定していたが、不妊手術までに3頭の譲渡先が見つかり、1頭が亡くなったため、25頭の不妊手術を行った。譲渡された3頭は、譲渡先にて手術を実施予定。全頭当事者宅へ戻り飼育を継続するが、譲渡先を探し改善に向かうよう進めていく。
手術日オスメス耳カットのみ
11月6日519125
519125

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
ボランティア団体と協力し捕獲を行い、無事手術を完了することができ、当事者の環境を改善することができた。


どうぶつ基金スタッフコメント
野良猫や捨て猫を保護する、そのこと自体は批判されることではなく、当事者としては可哀想な猫を助けたいという思いもあったかもしれません。そうであればなおさら、なぜ野良猫や捨て猫が存在するのか、その理由を考えてほしかったと思います。不妊手術をせずに安易に複数頭の飼育を開始し、逃れることのできない地獄のような室内で暮らすしかない不幸な猫を自ら生み出してしまった責任は重いです。
全頭手術済みとなり、飼育環境も改善されましたが、現場にはまだ39頭の猫がいます。今回の支援はあくまで解決へのファーストステップでしかありません。当事者はボランティア等周囲の協力を得て譲渡先探しに努め、飼い主として何をなすべきか、その責任について考え抜いてほしいと思います。


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