33_茨城県稲敷市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.33
申請日:2023年7月27日
申請/実施責任者:稲敷市 環境課
場所:茨城県稲敷市
居住者:当事者本人(86歳、男、無職)、息子(56歳、無職)
居住環境:持ち家/戸建て(貸家)
生活保護の受給状況:申請予定
多頭飼育現場の猫の総数:30頭
手術日:9月21日
協力病院:茨城さくらねこクリニック
チケット発行数:15枚(成猫分を申請。子猫15頭は支援前にボランティアが保護)
手術頭数:12頭(3頭は喧嘩防止のためボランティアの費用負担で支援前に手術を実施)
協働ボランティア:特定非営利活動法人ポチたま会
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 10年ほど前に1頭の野良猫を保護したのがきっかけ。
- 不妊手術をしていなかったため、頭数が次第に増えていった。
- 飼育していた当事者の入院をきっかけに多頭飼育が発覚した。
- 当事者の息子(申請時は同居していたが、報告時には家を出ている)に対し、動物指導センターへ問い合わせるよう指導し、これ以上の頭数増加を防止するため申請に至った。
- 現場にいた子猫15頭は支援前にボランティアが保護した。保護した子猫の手術についてはボランティア団体で実施する。
- 成猫15頭分を申請していたが、そのうち3頭の間で喧嘩が頻発していたため、ボランティアの判断および費用負担によってこの3頭の手術を先行して実施したため、チケットによる手術は12頭であった。。
- ボランティアの協力を得て当事者宅の清掃を行い、衛生環境が改善された。
- 支援後は全頭当事者宅に戻し、里親探しをしていく予定であったが、当事者が入院中のため計画は未定。全15頭をボランティアが保護し、全頭不妊手術済み。既に3頭は譲渡済み。残りの12頭は適した環境で協働ボランティア団体が飼育している。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
9月21日 | 6 | 6 | 0 | 12 |
計 | 6 | 6 | 0 | 12 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
特になし。
どうぶつ基金スタッフコメント
最終的に手術済みとなった成猫15頭はボランティアに保護されました。当事者の年齢や現在の健康状態、申請時に同居していた家族が報告時には別居していたこと等を考えれば、全頭保護が最良の結果ではなかったかと思います。今後、ボランティアのもとで里親探しが行われ、1頭でも多くの猫に新しい家族ができることを願っています。
本件に関して、行政は改善すべき点も今後の配慮事項も「特になし」と答えていますが、このケースから何も学びはなかったのでしょうか。多頭飼育崩壊は今や全国で多発しています。行政として、多頭飼育崩壊が発生した時にどう対処すべきか、多頭飼育崩壊を起こさせないためにどのような施策を行うべきか、真剣に考えていただきたいと思います。