32_鹿児島県日置市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.32
申請日:2023年7月14日
申請/実施責任者:日置市 市民生活課
場所:鹿児島県日置市
居住者:当事者本人(86歳、男、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:13頭
手術日:2023年8月12日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:13枚
手術頭数:13頭
協働ボランティア:さつま・しっぽの会
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 8年前、妻の死をきっかけに現在地へ転居。野良猫がかわいそうで2~3頭に餌を与え始めた。
- 餌やりだけのつもりが家にも入り込み、不妊手術を行っていないためねずみ算式に増えていったが、次から次に出産するものの、母乳も足りず育たない猫も多いことから、現在の頭数にとどまっている。多頭飼育状態に陥るまでの期間は2年程度である。
- 隣家より保健所に苦情の通報があり、保健所が訪問。状況を確認し、ボランティア団体に協力を依頼。市へ多頭飼育の相談があり発覚した。
- 多頭飼育救済申請に至るまでに当事者に不妊手術の実施、外での餌の放置禁止を指導した。
- 当事者は高齢で、指導内容を理解できていない様子(別居兄弟によると軽い認知症)で当事者で不妊手術を行う能力が無いと思われ、このままでは解決できないと判断したため申請に至った。
- チケットを使用して13頭(全頭)手術済み。全頭当事者宅へ戻り、別居の兄弟の協力をえながらこのまま当事者が飼育していく。
- 手術後は、猫の生活スペースに余裕ができのびのびと生活できている。室内は清掃され、糞尿臭もほぼ消えた。
- 室内飼育は基本は2頭で、残りは外で生活している。室内はトイレを2か所設置している。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
8月12日 | 7 | 6 | 0 | 13 |
計 | 7 | 6 | 0 | 13 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
どうぶつ基金、協力病院、協働ボランティア団体のご協力で無事多頭飼育の救済が行えました。感謝申し上げます。今回は、市が関与する前からボランティア団体、保健所が携わっておりスムーズに連携ができました。今後も、当事者と猫の定期的な見守りは必要かと思われます。
どうぶつ基金スタッフコメント
13頭の猫はすべて手術済みとなりましたが、当事者の年齢や健康状態等を考えれば、定期的な見守りに留めるのではなく、関係各所と協力して猫の譲渡にも取り組んでいくべきではないでしょうか。
また、当事者が猫を飼育しはじめたきっかけを考えれば、周辺地域における飼い主のいない猫の生息状況を調査し、TNRを進めることも重要です。地域の環境を守るため、住民同士の対立をなくし人と猫がトラブルなく共生するため、そして第2、第3の多頭飼育崩壊を防止するため、ボランティアにも協力を要請して周辺地域のTNRを進めていただきたいと思います。