48_青森県青森市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.48
申請日:2023年10月4日
申請/実施責任者:青森市 生活衛生課
場所:青森県青森市
居住者:当事者本人(84歳、女、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない(相談中)
多頭飼育現場の猫の総数:26頭
手術日:10月22日
協力病院:八戸のらねこ病院
チケット発行数:24枚(子猫2頭を除く24頭で申請)
手術頭数:22頭(2頭は捕獲できなかった)
協働ボランティア:ワンニャンを愛する会

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 7年前、4頭の捨て猫を保護した。
  2. 保護したのはオス3頭・メス1頭で不妊手術をしなかったため、メスが2度の出産をし、生まれた子猫の中にもメスがおりその猫がまた子猫を生んで頭数が増えていった。経済的な理由から不妊手術はできなかった。
  3. 近隣住民から「近所の人が野良猫に餌付けをしているため敷地内に野良猫が来て糞尿をされて困っている、野良猫が来ないようにする方法はないか」と相談が入り当事者宅を訪問したところ、20頭以上の猫を確認。2~3年前から20頭以上になっていたようである。
  4. これ以上増えないよう不妊手術を行うこと、外に猫のエサを置きっぱなしにするのはやめ、飼い猫にだけエサを与え室内飼育に努めること、飼うことができない猫は譲渡先を探し飼育頭数を減らすことを指導した。
  5. しかし、最近も妊娠・出産を繰り返し、家の中で猫が出産しても生まれた子猫が共食いされていると申告があり、早急に不妊手術が必要だと判断し申請に至る。
  6. 成猫の24頭分のみチケットを申請。子猫2頭はボランティア団体が保護して里親を探し、譲渡先で不妊手術を実施する。
  7. 24頭のうち、家の中と外を自由に出入りしていた猫2頭を手術前に捕まえることができず2頭が未手術となった。
  8. 外にいる猫もすべて室内飼育にして同じ場所で継続して飼養していくが、譲渡会に参加し新しい飼い主を探し猫の頭数を減らしていく。
  9. 清掃はよくされていて臭いは無く、トイレもきれいに掃除されていた。猫のストレスも軽減され、体調不良の個体は確認できなかった。
  10. 捕獲できなかった2頭のうち1頭は支援後に捕獲・譲渡され、譲渡先で不妊手術を実施予定。もう1頭は捕獲できていないが、捕獲でき次第、ボランティア団体に協力を依頼して不妊手術を行う。
手術日オスメス耳カットのみ
10月22日220022
220022

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
当事者宅に猫がたくさんいるのを確認してから申請するまでに時間がかかり、その間にも子猫が生まれ、共食いが起こってしまったのでもっと早く申請ができたら良かったと思います。
ほとんどがメスで妊娠していた猫もいたので、申請をお願いしてからすぐにチケットが発行され、手術することができたので本当に良かったと思いました。皆様にご協力いただき感謝申し上げます。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者は捨てられていた猫を見捨てることができませんでした。保護した行動は責められるべきではありませんが、結果的に共食いが発生するような状況に猫を追い込むことになってしまったことが残念でなりません。今後も当事者が飼養を継続しますが、譲渡会を通じて1頭でも多くの猫が新しい家族を見つけられるよう願っています。
複数の猫を飼育するのであれば不妊手術は必須です。経済的な理由があることも理解しますが、数が増えれば増えるほど当事者だけでの解決は難しくなります。そうなる前に自らどこかに相談してほしい、SOSを発してほしいと強く願うとともに、やはり現実的な解決手段を提示してくれる相談窓口の必要性を感じます。そのような体制づくりを提案することも、今後どうぶつ基金が取り組んでいくべき課題であると思っています。


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