73_埼玉県さいたま市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)  

申請No.73
申請日:2024年2月1日
申請/実施責任者:さいたま市動物愛護ふれあいセンター
場所:埼玉県さいたま市桜区神田
居住者:当事者本人(47歳、男、無職)
居住環境:貸家/アパート
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):40頭(14頭)(当初35頭で申請するも、最終的に40頭となった)
手術日:2月9日
協力病院:堀どうぶつ病院
チケット発行数:15枚(当初の総数35頭のうち手術済み6頭と子猫14頭を除く15頭で申請)
手術頭数:15頭
協働ボランティア:一般社団法人彩の猫

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 5年前、知人から2頭譲り受けて飼育を始めた。
  2. 野良猫や捨て猫を保護したり、知人から預かったりするなどして、2022年までに11頭(オス1、メス10)にまで増えた。この間、2~3か月に1頭のペースでオスから不妊手術を進めていたが、玄関のドアが開いてしまうできごとがあり、未手術のメス5頭が妊娠してい18頭の子猫が生まれた。うち8頭は知人の助けで譲渡することができたが、当事者は生活が厳しく残った猫たちの不妊手術はできなかった。それから1年ほど経って、またメス5頭が妊娠し14頭の子猫が生まれた。
  3. 2023年に生活保護の対象となって福祉担当が関わることになり、状況を把握した担当者からの連絡によって発覚。
  4. 当事者は社会復帰を目指しており、不妊手術を進める意思もあった。しかし、雌雄を分けて飼育するよう指導しケージを貸し出していたものの、ケージに入れずに飼育を続けていたことが発覚。繁殖防止の管理ができていなかったことから申請に至る。
  5. 14頭の子猫は複数の預りボランティアに保護されている。子猫を手術適期前に譲渡する場合は、新しい飼い主のもとで手術を行ってもらい、譲渡前に手術適期がくればボランティア負担にて手術を行う予定。手術後の猫も一部保護し里親探しを行う。
  6. 当初35頭としていたが、新たに5頭が発見され総数は40頭となった。最終的な40頭の内訳は次のとおりである。ボランティアが子猫14頭+成猫7頭=計21頭を保護、当事者の知人が3頭を預かり、当事者宅には16頭の成猫が残っている。新たに発見された5頭のうち3頭はボランティアによって手術済み、残る2頭(オス)については、4月以降にボランティアで実施予定だが現在も未実施。進まない場合は2度目の申請を検討する。
  7. 清掃によって見えなかった床も見えるようになり、室内の臭気も減少し、猫や当事者に染み付いたアンモニア臭も軽減された。トイレも増設されて運動スペースが増え、飼育環境も少し改善されている。成猫の健康状態はもともと特段悪くなかったが、他の猫を追いかけまわす行為が減った。
  8. このまま同じ場所で飼養を継続し、譲渡を進めながら頭数を減らしていく予定である。
手術日 オス メス 耳カットのみ
2月9日 6 9 0 15
6 9 0 15

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
結局ボランティアの負担が大きいと感じました。


どうぶつ基金スタッフコメント
過去の支援事例においても、未手術の猫を安易に譲渡する・譲り受ける(それも複数頭、ひどい場合には雌雄)ケースが多数見受けられます。それにくわえて、本件の当事者は野良猫や捨て猫も保護していたとのこと。可哀想だという気持ちがあったのだと思われますが、自身の管理能力を超えて保護することは結局、猫を不幸にします。
当事者のもとには16頭の猫が残っています。飼育環境もまだ完全には改善されておらず、継続的な関与が求められます。当事者にも、今回の支援に携わった多くの人の気持ちを無駄にせず、飼育環境や衛生環境の改善に努め、行政やボランティアと協力して1頭でも多くの猫に里親が見つかるよう最大限の努力をするよう求めます。


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