41_埼玉県吉見町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.41
申請日:2023年9月5日
申請/実施責任者:吉見町 環境課
場所:埼玉県比企郡吉見町
居住者:当事者本人(53歳、女、無職)、配偶者(63歳、男、会社員)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:50頭(45頭で申請するも実際は50頭であった)
手術日:9月16日、21日、28日、10月20日、21日、11月24日、30日
協力病院:堀どうぶつ病院
チケット発行数:45枚(当初の総数45頭分を申請)
手術頭数:44頭(1頭が捕獲できず未手術)
協働ボランティア:吉見町 にゃん田の会
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 2001年~2002年頃に当事者本人が運送の仕事をしていた時に、スーパーなどで捨てられていた猫1頭を拾った。
- 最初は不妊手術をしていたが、2005年頃から借金や頭数が増え、経済的に手術できなくなり現在に至る。
- 2023年8月にボランティア団体の知人が経営する店舗に当事者の配偶者が来店した際、「猫の数が増えて世話が大変」という世間話から多頭飼育が発覚。
- 各部屋でオス・メス、子猫を分けているが不完全のため、今後も頭数が増えていく可能性がある。
- 部屋はすべて土足で2階は糞尿の山、1階のすべてがトイレになっている。以前より(少なくとも1年間)周囲はなんとなくわかっていたが、当事者本人はごまかしていた。
- 収入もあるので、飼い主としての責任を果たしてもらうべきであるが、劣悪な飼育環境を考えれば、行政も支援を行って一刻も早く対策を講じる必要がある、また当事者本人の気持ちが動いたタイミングを逃したくない、ということから申請を決定した。
- 申請時総数は45頭だったが、申請後に数頭発見され総数50頭となった。チケットを使用して44頭を不妊手術済み。残る1頭は捕獲できず未手術。
- 未手術の猫と新たに発見された猫は2回目の申請予定。
- 衛生環境や飼育環境は改善されず。猫の状態も申請前と変化なし。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
9月16日 | 0 | 9 | 0 | 9 |
9月21日 | 1 | 6 | 0 | 7 |
9月28日 | 8 | 1 | 0 | 9 |
10月20日 | 3 | 2 | 0 | 5 |
10月21日 | 2 | 0 | 0 | 2 |
11月24日 | 2 | 0 | 0 | 2 |
11月30日 | 5 | 5 | 0 | 10 |
計 | 21 | 23 | 0 | 44 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
当初の把握頭数の不備、出産により、未手術の猫がおり、全頭手術・衛生面の環境改善も不完全な状態となっている。
また仕事が忙しく病院への搬送などもボランティア頼りになってしまった。しかし、15年以上そのまま、慣れない猫もいる中で40頭以上捕獲し手術を進めたことは現状できる限りやったと思っている。今後について、ボランティア団体の協力を受けながら、2024年1月以降に再度申請・手術を予定している。
どうぶつ基金スタッフコメント
不妊手術はあくまで解決に向けた一歩にしかすぎません。手術をしたから「ああ良かった」ということにはなりません。行政からの報告にもあるように支援は不完全な状態で止まっています。一刻も早く未手術の猫を捕獲して不妊手術を受けさせること、また、飼育環境の改善も急務です。
支援に入った際に当事者としっかりした関係性を作り、きちんと指導していく。そうでなければ支援の意味がありません。残った未手術の猫6頭から元の状態に戻るのはあっという間です。今回の支援を無駄にしないためにも、危機意識をもって取り組んでいただきたいと思います。