53_北海道羽幌町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.53
申請日:2023年10月4日
申請/実施責任者:羽幌町 町民課
場所:北海道苫前郡羽幌町
居住者:当事者本人(38歳、女性、無職)、配偶者(41歳、男性、会社員)、長男(12歳、学生)、長女(10歳、学生)、次男(7歳、学生)、三男(0歳)
居住環境:持ち家/戸建
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:30頭(26頭で申請するも実際は30頭であった)
手術日:11月13日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:25枚(申請時の総数26頭のうち手術済み1頭を除く25頭で申請)
手術頭数:25頭
協働ボランティア:個人ボランティア

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 2014年頃から猫1頭を飼っていたが、2020年に友人より猫4頭を譲り受け、野良猫を1頭を拾った。
  2. 2021年夏頃、不妊手術をしていなかったことからメス2頭が出産して5頭が生まれ、別のメスの子猫同士が繁殖するなどして現在の頭数になった。
  3. 発覚のきっかけは福祉関係者からの相談である。放課後デイサービスに通っている子どもから猫の臭いや猫の尿などによる教科書等の変形が見られたため確認をしたところ、多頭飼育が発覚した。
  4. 保健師や福祉関係者とともに、行政機関やNPO法人(地元ボランティア団体)から里親を探す方法や譲渡の準備について説明し、雌雄の部屋を分けること、また、居住空間が一緒だったため別々の部屋にするように指導した。
  5. 里親探しを行い適切な準備を行っているところであったが、2023年7月に新生児が生まれたため育児環境にも悪影響であり、当事者本人と子どもには障がいがあることから、猫の飼育は困難と考え申請に至った。
  6. 協力病院まで往復380㎞あり搬送することが難しく、何度かに分けて手術となると残った猫が繁殖をしてしまう可能性があった。どうぶつ基金から承諾をえて、地元振興局に往診扱いとしての許可をいただいたうえで、町の施設において手術を行った。
  7. 手術中に部屋の清掃や飼育スペース、トイレの清掃等も行ったため飼育環境や健康状態等も改善されている。
  8. 猫の総数は26頭と把握していたが、手術場所へ運搬し数えたところ全部で30頭だった。不妊手術済みの1頭を除く29頭のうち、25頭はチケットを使用して不妊手術を実施。3頭は当事者が手術費用を負担して手術済み、残る1頭は子猫で幼齢のため手術できなかったが、NPO法人(地元ボランティア団体)が保護して譲渡先を探しており、当団体または譲渡先で手術予定である。
手術日 オス メス 耳カットのみ
11月13日 12 13 0 25
12 13 0 25

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
最終確認を行ったところ、当初聞いていた頭数よりも多かったことと、妊娠している猫が6頭いたため予定よりも時間を要した。


どうぶつ基金スタッフコメント
今回は協力病院までの距離等の諸事情をふまえ、地元振興局の許可もあったことから町施設での手術を許可することとなりました。往診にご協力いただいた協力病院の皆様に感謝を申し上げます。
ご協力の甲斐あって、全30頭のうち29頭が手術済みとなり、子猫1頭はボランティア団体に保護されました。これまでの経緯や当事者家族の状況を考えれば、1頭でも多く譲渡することが求められます。あきらめずに里親探しを継続していただきたいと思います。
本ケースでは、子どもの異変に気付いた福祉関係者からの相談が発覚のきっかけとなりました。多頭飼育崩壊家庭に子どもがいる場合、臭いなどを理由に深刻ないじめに発展することも少なくありません。多頭飼育崩壊は当事者だけの問題ではなく、社会で解決していくべき問題です。福祉行政と動物愛護行政が上手く連携すれば、もっと多くの人と動物を救うことができます。


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