77_愛知県知多市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.77
申請日:2024年2月15日
申請/実施責任者:愛知県知多市 環境経済部環境政策課
場所:愛知県知多市
居住者:当事者本人(68歳、女、パート)、長女(35歳、介護職員)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):66頭(11頭)(60頭で申請していたが実際は66頭だった)
手術日:3月4日、3月5日、3月14日、3月28日
協力病院:スペイクリニックトラ知立出張所
チケット発行数:60枚(申請時の総数60頭分を申請)
手術頭数:56頭(4枚未使用。詳細は下記経緯を参)
協働ボランティア:安城市民団体しっぽ、ちた地域ねこの会
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 2022年1月頃に知り合いの農家の納屋で生まれたオス2頭、メス2頭の子猫を保護。
- 子猫を保護してまもなく当事者が心臓の手術を行うことになり、不妊手術の費用が賄えず繁殖してしまった。
- その後、1年6ヶ月ほどで多頭飼育状態に陥った。2023年7月に生まれた子猫が共喰いにあい、限界を感じ保護猫シェルターを運営するボランティアに相談。現在も餌代で経済的にひっ迫している。
- 相談を受けたボランティア団体が現状を確認。どうぶつ基金の多頭飼育救済による早期不妊手術が必要と考え、市に相談があった。
- その時点で当事者に関する苦情・相談等はなかったが、すでに多頭飼育崩壊寸前の状態で早急に対応する必要がある。また、当事者の経済状況やこれまでの状況を勘案すると、当事者自身で早期に全頭不妊手術することは困難であるため申請に至る。
- 60頭という頭数、発情時期であること、当事者の娘が猫に固執した過去があり長時間引き離すことが精神的負担になる可能性があることから、今回は当事者宅から少し離れた位置にある駐車場での手術となった。本来、当事者宅以外での手術は出張手術扱いとなり不可であるが、今回のケースにおいては、管轄の家畜保健衛生所が往診扱いとする判断をしたことからチケット発行可とした。
- 事前の頭数確認では60頭としていたが、捕獲時に66頭であることが判明。チケットを使用して56頭に手術を行い、4枚が未使用となった。
- 譲渡できる可能性が高い子猫8頭(ボランティア団体によって手術済み)と停留睾丸で手術不可となった1頭(後日手術予定)をボランティア団体が保護。当事者宅には手術済み56頭と幼齢で手術不可となった1頭が残るが、幼齢の子猫については当事者が責任を持って手術を行う。
- 支援前からゴミ等の散乱はないが、手術後にトイレを1つ追加した。また、手術時にボランティア団体が伸びていた爪をカットした。
- 動物愛護センターが譲渡会への受け入れを考えており、引き続き多頭飼育状態の改善を図っていく。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
3月4日 | 4 | 8 | 0 | 12 |
3月5日 | 5 | 8 | 0 | 13 |
3月14日 | 12 | 3 | 0 | 15 |
3月28日 | 12 | 4 | 0 | 16 |
計 | 33 | 23 | 0 | 56 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
ボランティアの相談から採択、事業期限の終了まで約1ヶ月半であったが、ボランティアのご尽力により、不妊手術までは、ほぼ終えることができた。多頭状態の改善はこれからであり、多頭状態の改善を引き続き図っていく。
どうぶつ基金スタッフコメント
2022年に2頭の子猫を保護してから、わずか1年6カ月で共食いが発生するような悲惨な状況になってしまいました。自力での不妊手術が無理であったのなら、もっと早くSOSを出してほしかった。そうすれば子猫が命を落とすこともなかったはずです。支援後もなお、未手術の幼齢猫1頭を含む57頭が残ります。行政のコメントにもあるように、譲渡への取り組みを積極的に行い、少しずつでも飼育頭数を減らしていくことが猫にとっても人にとっても最善です。