68_沖縄県糸満市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.68
申請日:2023年12月28日
申請/実施責任者:糸満市 市民生活環境課
場所:沖縄県糸満市
居住者:当事者本人(69歳、女、無職)次男(33歳 会社員)長女(31歳、会社員)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):12頭(6頭)
手術日:2024年2月3日、16日、3月14日、29日
協力病院:豊見城動物高度医療センター
チケット発行数:12枚
手術頭数:8頭(4頭は手術前に譲渡された)
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 自宅周辺にねずみが多く、2019年7月に知人からもらった猫1頭を飼い始めた。その1頭は外で飼っていたが、ある日突然いなくなった。
  2. 2022年3月に捨て猫と思われる猫2頭(オス、メス)が自宅の庭に来るようになり、餌を与えていると居つくようになった。
  3. 2023年5月に子猫が4頭産まれ、自宅の庭を離れようとしなかったため餌を与えていると、さらに10月に5頭産まれた。また、自宅近くの畑の木を切ったら茶白の猫が出てきて敷地に居座るようになった。猫は家屋に入れないようにしているが勝手に出入りしている。
  4. 2023年11月に当事者が要支援になったため市地域包括支援センターが訪問したところ、当事者から猫が増えて困っていると話があり多頭飼育が発覚。
  5. 雄雌を分けて飼育し、外飼いをしないよう指導したが、市が訪問した時点ですでに10頭以上の猫がおり、指導は有効ではなかった。
  6. 当事者の収入は年金しかなく、要支援のため金銭的に厳しい状態である。当事者は今いる猫を飼い続けながら里親を探す意思はあるが、現在の状況では猫が増える一方であり、周囲の方々に影響が出るおそれがあるため申請に至った。
  7. 12頭のうち4頭は支援前に譲渡先が見つかったためチケットは使用せず、残る8頭はチケットを使用して不妊手術を行った。手術前に弱っていた猫が1頭いたが、手術後は元気になりよく外に出るようになった。
  8. 手術前は猫がほとんど家の中に入らなかったが、手術後は室内に入るようになった。トイレを覚えさせている途中だが完全ではなく、家の中に臭いがすることも多い。
  9. 手術済みの8頭については、当事者が飼育を継続しながら譲渡先を探していく。
手術日オスメス耳カットのみ
2月3日1203
2月16日1102
3月14日2002
3月29日1001
5308

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
今回の多頭飼育救済にあたっては、介護長寿課や地域包括支援センターと連携することができたと思う。2023年11月に市地域包括支援センターが訪問した時点で猫が12頭いる状態だったため、対応が遅れた場合は更に猫が増えていたかもしれない。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者が猫の飼育を始めたのは2019年。この頃には沖縄県の多くの自治体でTNRが実施されていたはず。糸満市も積極的に取り組んでいる行政の一つですが、それでも不妊手術の重要性はこの当事者には届いていませんでした。
最初の1頭は知人から譲り受けていますが、その後は自宅の庭に来た猫に餌を与えたことがきっかけとなっています。飼う意思があり、そして室内外を自由に行き来させるのであれば、飼い主の責任として不妊手術は必須です。未手術の飼い猫は野良猫を増やす要因の一つでもあります。地域の野良猫を増やさない取り組みとして、飼い猫の不妊手術をどうやって「当たり前」にしていくか、その方法を模索していかなければなりません。


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