75_北海道倶知安町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.75
申請日:2024年2月1日
申請/実施責任者:後志総合振興局 環境生活課
場所:北海道虻田郡倶知安町
居住者:当事者本人(81歳、女、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):18頭(0頭)(当初25頭としていたが実際は18頭だった)
手術日:2月28日、3月6日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:25枚
手術頭数:18頭
協働ボランティア:cat life support小樽

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 5年前、ケガをした猫や外にいた猫に餌を与えて家の中に入れて飼うようになった。怪我をした猫が死ぬだろうと思っていたら元気になり、その後出産した。
  2. 当初は1頭だけ不妊手術をしたが、それ以降、手術費用をまかなうことが出来ず、繁殖スピードが早かったため頭数が増えていった。
  3. 当事者が骨折入院をすることになり、猫の世話を頼まれた近隣住民が当事者宅に入ったところ、猫の頭数が多かったことからボランティア団体に相談が入る。ボランティア団体から行政機関に相談するよう助言を受けた近隣住民が、後志総合振興局に相談し多頭飼育が発覚。
  4. これ以上増やさないよう全頭の不妊手術をすること、今いる数を減らす取り組みとして新しい飼い主探しをすること、外に置き餌をしないこと、猫は室内飼育とすること、猫のトイレ掃除を適切に行うことを指導。
  5. 当事者は猫の不妊手術が必要であることは理解しているが、生活保護受給世帯であり不妊手術の費用を負担できない。この状況を放置すれば猫の健康状態が悪化することも懸念され、当事者の生活環境や周辺環境の悪化に繋がるおそれがある。これ以上猫が増えると当事者の家計を圧迫し、通常の生活を営むことも困難になることが見込まれるため申請を決定した。
  6. 部屋に猫が多く正確な頭数を把握できなかったため、当初25頭と申請していたが実際は18頭。チケットを使用して全頭の不妊手術を行うことができた。
  7. 17頭が当事者宅に戻り、1頭はボランティアが保護した。猫は手術終了後、元気に走り回っており体調等に問題はない。当初からトイレの数や運動スペースは十分だったが、手術後は当事者に心の余裕ができたようで、清掃が行き渡るようになり臭いも軽減された。
  8. 現場に残る17頭の猫については、後志総合振興局のホームページに情報を掲載し新しい飼い主探しの取り組みを行っている。
手術日オスメス耳カットのみ
2月28日5409
3月6日279
711018

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
これ以上増えない取り組みとして全頭の不妊手術ができたことはよかった。当事者は生活保護受給世帯でしたが、当事者の信頼を得て、チケットの範囲を超える部分の治療費負担について、当事者から自主的に負担する旨の申し出がありました。
今いる数を減らす取り組みが弱いことが反省点です。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者に頼れる近隣住民がいたことが解決の糸口になりました。当事者の不在中に見つけた多頭飼育を他者に相談することは勇気のいることだったと思いますが、この相談がなければさらに状況が悪化していたことが考えられます。行政も迅速に対応いただいたことで、申請から1カ月ほどで支援完了となり、全頭手術済みとなりました。当事者も前向きな気持ちになった様子で、清掃が行き渡るようになったとのこと。人も猫も暮らしやすいように環境を整えながら、残った17頭のお世話をしっかりしていただきたいと思います。
譲渡先探しが難航しているようですが、1頭でも多くの猫に里親が見つかることを願っています。


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