10_埼玉県三郷市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.10
申請日:2024年5月2日
申請/実施責任者:三郷市役所クリーンライフ課
場所:埼玉県 三郷市
居住者:当事者本人(84歳、女、無職)、長男(57歳、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):15頭(0頭)(17頭で申請するも実際には15頭であった)
手術日5月24日
協力病院:いながき動物病院
チケット発行数:16枚(申請時の総数17頭から手術済み1頭を除いた16頭分を申請)
手術頭数:14頭
協働ボランティア:みさと動物愛護クラブ
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 約5年前、近所にいた猫が開発などにより居場所を失ったことから2頭の野良猫を保護した。
- 保護した猫を不妊手術をせず飼育していたため繁殖を繰り返し、頭数が増えていった。
- 介護支援専門員→地域包括支援センター→三郷市→ボランティア団体へと情報が提供され多頭飼育状態であることが発覚。
- 何度か足を運び、当事者に不妊手術の交渉をしたが費用捻出できず。飼育環境の改善とこれ以上の猫の繁殖を止めるため、また、高齢である当事者自身の生活環境を改善するためにも、多頭飼育救済支援への申請を提案し当事者の合意を得ることができた。
- 総数17頭(うち1頭は手術済み)で16頭分のチケットを申請したが実際は15頭(手術済み1頭含む)であった。手術済み1頭を除く14頭すべてチケットによって手術済みとなった。
- 不妊手術によって未去勢時の尿の匂いが軽減され、さかり声もなくなった。室内の環境も徐々に改善され、支援前よりトイレの数も増えた。
- 手術時に皮膚の怪我などを治療した猫もいるが回復してきている。ケージに入れっぱなしの状態から少しずつ改善されているが、運動スペースについては今後も引き続き声かけを行っていく。
- 当事者と15頭の猫はそのまま同じ場所で暮らすが、猫は徐々に里親に出していく予定である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
5月24日 | 5 | 9 | 0 | 14 |
計 | 5 | 9 | 0 | 14 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者と話をして不妊手術を行うことはできたが、当事者宅にはまだ15頭の猫がいる。早期に情報を得るために福祉関係機関や地域包括支援センターとの連携やボランティア団体との協力体制を強固にしていく必要があるという点が課題である。
どうぶつ基金スタッフコメント
当事者は、最初は野良猫の餌やりのみを行っていたようです。開発によって猫が居場所を奪われることになり、可哀想だという気持ちからの保護であったと思いますが、5年後の今、その優しい気持ちから行った保護は多頭飼育崩壊という結果となりました。餌やりやボランティアの方が、保護から多頭飼育崩壊へと進んでしまうことは少なくありません。そういった活動をしているのであれば尚更のこと、自らが不幸な命を生み出すことだけはしないでほしいと強く思います。
15頭の猫は、新しい家族が見つかるまで同じ場所で暮らします。飼育環境は改善されつつあるようですが、人と猫が穏やかな暮らしを取り戻すにはさらなる改善が必要でしょう。行政には今後も指導を継続いただくようお願いしたいと思います。