15_鹿児島県枕崎市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.15
申請日:2024年6月5日
申請/実施責任者:枕崎市 市民生活課長
場所:鹿児島県 枕崎市
居住者:当事者本人(63歳、男、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):15頭(5頭)
手術日:8月16日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:15枚
手術頭数:13頭(申請後に2頭が行方不明となった)
協働ボランティア:さつましっぽの会
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 6年ほど前に屋根裏で野良猫が子猫を産んだ。屋根裏から助けた1頭がメスだった。
- その後、2年半くらいは家の中で育てていたが、屋根裏から外に出るようになって子猫を産んだ。
- 1頭の時に不妊手術を考えたが、当時は相談できる人のおらず、費用が高額なことからあきらめた。屋根裏から猫が自由に出入りできる状況であり、生まれた子猫が大きくなってさらに出産するなどして増えていった。
- 福祉の担当者に3年ほど前に相談したほか、近所からも1年ほど前から相談がきていた。
- 屋根裏から自由に出入りできることを知らず、5頭の時までは屋内で飼育するように指導をしていた。
- 猫が12頭にまで増えて餌代が高額になって生活がままならないことや、猫が屋根裏を走り回って天井板が壊れ、家が壊れる恐れがあることから申請を決定。どうぶつ基金の多頭飼育救済支援は保健所から教えてもらった。
- 申請後に2頭が行方不明となったため、残る13頭に不妊手術を行った。
- 当事者は現在の住居に住み続けたいという意向を持っているが、福祉関係者からは転居をすすめられている。猫は現在の場所で飼養を継続し、当事者が転居した場合は1日2回の餌やりとトイレ交換に通う予定である。
- 清掃は支援前より行われていたため衛生環境に変化はなく、臭いについても変わりはない。屋外にトイレを1個設置した。猫は支援後もストレスがかかっている様子はなく、以前と変わらずに過ごしている。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
8月16日 | 7 | 6 | 0 | 13 |
計 | 7 | 6 | 0 | 13 |
【現場写真(支援前)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
初めての多頭救済支援でボランティア団体の指示により行った。当事者との連絡は福祉関係者を通してが主であり、密に連絡をとることができなかった。
どうぶつ基金スタッフコメント
福祉関係者への相談が3年ほど前、近隣住民から行政に相談があったのが1年ほど前。3年前に相談を受けた福祉関係者はどのように対応したのでしょうか。その後行われた当事者への指導も、すでに複数頭の猫がいるにもかかわらず、また、現場の状況を確認もせず屋内飼育を促すのみ。これでは、早期に事態を把握する意味がありません。当事者や近隣住民からの相談を受けた時点で適切な指導や対応が行われていれば、結果は少し違ったのではないでしょうか。
また、当事者は福祉関係者から転居を進められているとのことです。転居となった場合、本当に1日2回の餌やりとトイレ交換ができるのでしょうか。そのことも含め、市は関係各所と今後も連絡を取りながら、きちんと監督していく必要があります。くれぐれも「手術が終われば誰も猫のことは気にかけず放置する」というようなことがないようにしていただきたいと思います。