21_埼玉県鴻巣市多頭飼育救済レポート(行政枠) 

申請No.21
申請日:2024年6月24日
申請/実施責任者:埼玉県鴻巣市 環境課
場所:埼玉県 鴻巣市
居住者:当事者本人(68歳、女、無職)子(41歳、女、無職)子の夫(59歳、リネンサプライ業)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):96頭(13頭)(86頭で申請するも実際は96頭であった)
手術日:7月6日
協力病院:おおにし動物病院
チケット発行数:74枚(当初の総数86頭から手術済み9頭と手術対象から誤って除外した子猫3頭を除く74頭分)
手術頭数:68頭(健康状態により6頭が手術できず)
協働ボランティア:またたび家

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 20年ほど前に近所の公園に捨てられていた子猫5頭を拾った。
  2. その後も同様に近所で捨てられた子猫を保護して飼育しており、最初の頃は20~30頭前後、2年前には50頭前後になり、その後急激に頭数が増えて現在に至る。
  3. 当事者が猫の餌を購入している店舗の店員に現状を相談。その店員が県の動物愛護推進員に相談し、その動物愛護推進員が埼玉県動物指導センター南支所および市に本件について相談したことから事態が発覚した。
  4. 埼玉県動物指導センター南支所が、①子猫が増えないよう不妊手術をするまで雌雄を分けること、②これ以上、捨て猫を拾わないこと、③子猫の引取手を探すことを指導。
  5. しかし、その時点で飼育頭数が80頭を超えていたことから、当事者が自力で不妊手術を行うことは不可能であると考え申請に至る。
  6. 猫の総数は86頭としていたが、実際は96頭(うち9頭は手術済)だった。13頭いた子猫のうち、1頭は病院搬送前に死亡が確認され、残る12頭をボランティアが保護。最終的にそのうち4頭が亡くなり、8頭は手術可能な状態になった時点でボランティアによって不妊手術が実施された。
  7. 96頭から上記の子猫13頭を除いた83頭のうち、68頭がチケットを使用して手術済みとなった。6頭分のチケットが未使用となったが、健康状態を理由に手術対象外となった2頭については残念ながら亡くなった。残る4頭については、動物愛護推進員の協力によって不妊手術が行われ、生存している猫については全頭が手術済みとなった。猫たちは今後も当事者宅で暮らす。
  8. 術後の猫の健康状態は良好であり、自由に遊べる状況となっている。
  9. 清掃は行き届いており、飼養環境については改善が伺える。トイレの数を少し減らし、以前より清掃が行き届くよう改善している。
手術日オスメス耳カットのみ
7月6日3434068
3434068

【現場写真(支援前)】

現場写真(支援後)

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
本市で初めての多頭飼育救済かつ飼育頭数も多かったが、県を始めボランティア等の協力によって無事に全頭に不妊手術を実施することができた。
また、埼玉県動物指導センターおよび本市に対して相談があってから、迅速に全頭に不妊手術を実施することができ、県とボランティア等の連携などスムーズに実施することができた。
懸念事項であった子猫についても、県等の折衝によって当事者から子猫を引き取ることができた。


どうぶつ基金スタッフコメント
90頭を超える大規模多頭飼育崩壊でした。支援が完了するまでに残念ながら複数の猫が亡くなってしまいましたが、それでも残る全頭に不妊手術を行うことができたことは大きな成果だと考えます。申請から手術実施まで約2週間で完結できたのは、行政の報告にもあるように鴻巣市、動物指導センター(県)、ボランティア等の連携がスムーズであったことが大きいと思われます。
しかしながら、本当の問題の解決はここからです。未だ当事者のもとには適正飼養の範囲を大きく超える70頭超の猫がいます。今後も飼養環境の改善指導や確認を継続し、譲渡によって飼育頭数を減らすことが必要です。また、多頭飼育に至った経緯を考えれば、当事者が新たに猫を増やしていないか注視していかなければなりません。県や市、ボランティアの方には継続して関わっていただくことを望みます。


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