23_福岡県宗像市多頭飼育救済レポート(行政枠)
申請No.23
申請日:2024年7月12日
申請/実施責任者:福岡県 宗像市 環境部
場所:福岡県 宗像市
居住者:当事者本人(62歳、男、無職)パートナー(64歳、女、無職)
居住環境:貸家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):17頭(5頭)(16頭で申請するも実際は17頭であった)
手術日:8月21日、9月30日
協力病院:cat spot clinic
チケット発行数:16枚
手術頭数:16頭
協働ボランティア:個人ボランティア
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 8年前に現住所へ転居してきた際は不妊手術済みの猫2頭を連れていたが、転居後数年して先住猫が亡くなった。
- その後、1頭の野良猫が当事者宅に居ついて出産。室内外を自由に行き来できる状態であったことから新たな野良猫が加わるなどして増えていった。
- この5年間、不妊手術せずに室内外を行き来できる状態で飼育を継続。2024年4月末に子猫5頭が生まれ16頭になったところで当事者の許容量を超えてしまった。
- 当事者が知人に増えすぎてしまった猫について相談。その後、市会議員を通じて市に相談があったことで発覚。当初は市会議員に猫の保護を訴えていたようだが、市職員が訪問した際には世話を続けるとのことであった。
- 訪問時にはすでに雌雄を分けて飼育していたが、室外へ出入りができそうな箇所があったため補修を依頼。また、皮膚病の受診についても話をしたが、当事者が行動をおこすことは難しく、ボランティアへ相談することになった。
- 現在の頭数では、当事者は猫を世話するだけで手一杯で、全頭に不妊手術を行うことは経済的に困難であると判断。また、飼われている猫たちの栄養・健康状態も心配されたため申請に至る。
- 当初16頭で申請していたが実際は17頭であった。チケットによって16頭の不妊手術が完了したが、うち1頭が手術後に高齢のため死亡。未手術となった1頭は衰弱傾向が続いており、治療を受けさせるよう働きかけている。今後、不妊手術を行う場合は当事者が費用を負担して実施予定。
- 1度目の手術を行う際、ボランティアが子猫のシャンプーなどを行った。ノミによる皮膚炎がどの猫にも見受けられたため、猫が不在の間に家のノミ・ダニ駆除と敷物の交換を実施。新しい敷物類は寄付を募って入手した。
- 餌についても寄付を募り、子猫の体重を増やすことができたため手術が可能になった。キャットタワーなどの寄付もあり、子猫は活発な様子が見られている。ノミによる皮膚炎がどの猫も改善し、今後の手当てなどの飼育指導を行っている。
- 今後も当事者が飼育を継続するが、1頭は譲渡の話が進んでいる。定期的にボランティアが訪問するほか、ペットフードバンクの餌を届けたり、地域で孤立しないようなサポートを検討中。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
8月21日 | 8 | 3 | 0 | 11 |
9月30日 | 3 | 2 | 0 | 5 |
計 | 11 | 5 | 0 | 16 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
譲渡へとつなぎたかったのですが、初期医療費負担の問題で時間が経ってしまったことが反省点です。自宅の大掛かりな掃除ができたことは、評価できるものと思います。
どうぶつ基金スタッフコメント
1頭が亡くなってしまったことはとても残念ですが、まずは解決に向けて第一歩を踏み出したのではないでしょうか。未手術の猫が1頭いますが、健康状態が回復して不妊手術が実施できるようになることを祈っています。支援後の現場写真ではキャットタワーもあり、環境も改善傾向が見られます。協働した個人ボランティアの方はもちろん、餌や敷物など物資寄付をよせた方々のご協力あってこそと感じます。
今後はボランティアの方による定期訪問も行われるとのこと。その他にもさまざまな施策が検討されているようです。当事者と猫を孤立させない、地域のなかで見守っていこうという取り組みに希望を持つことができた案件でした。