26_鹿児島県鹿屋市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.26
申請日:2024年7月22日
申請/実施責任者:鹿屋市役所 生活環境課
場所:鹿児島県鹿屋市
居住者:当事者本人(82歳、男、年金受給者)息子(52歳、会社員)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):16頭(4頭)(14頭で申請するも実際は16頭であった)
手術日:8月15日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:14枚
手術頭数:14頭
協働ボランティア:個人ボランティア
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 4~5年前に2頭の野良猫に餌を与え始めた。配偶者が亡くなったことによる寂しさもあり、2頭以外にも当事者宅にやってきた猫に餌を与えていたところ、2年ほど前から急激に頭数が増えた。
- 自身の「飼い猫」であるという認識はあったが、完全外飼いで餌やり以外の世話はしておらず、多少増えても気にせずにいたところ現在に至る。
- 「近くに多数の猫を外飼いしている人がいる。その猫が家にきて車に足跡を付けたり、敷地内に糞をしたりするので注意してもらえないか」と言う相談が市に寄せられたことで発覚。
- 当事者に対して餌は決まった時間に与え、周囲の迷惑にならないような飼い方をするよう指導したが、頭数はどんどん増えていった。
- これ以上増えないよう不妊手術を考えたが、経済的に当事者が負担することは難しく申請に至った。
- 当初14頭で申請したが、頭数確認の際に把握できていなかった2頭が見つかり総数は16頭となった。
- チケットによって14頭は手術済みとなったが、新たに発見された2頭については2回目の申請を行い予定である。
- 居住スペースは片付けや清掃が行われ、数は十分ではないものの、以前は設置されていなかったトイレも設置された。
- 室内外を自由に行き来しているため運動スペースに問題はなく、手術をしたことで発情がなくなって猫が穏やかになった。すべてに猫は当事者宅に戻り、今後も当事者が飼養を継続する。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
8月15日 | 6 | 8 | 0 | 14 |
計 | 6 | 8 | 0 | 14 |
【現場写真(支援前)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
猫の居住環境が改善された点が良かった。猫の栄養状態はもともと良いとは言えなかったのだが、餌やり方法が改善されたことで、栄養状態も改善に向かってほしい。
どうぶつ基金スタッフコメント
本件当事者は自身が飼い主である自覚があったとのことですが、完全外飼いで餌やり以外のお世話はしていませんでした。不妊手術もせずに自由にさせていれば、繁殖して頭数が増えることは容易に想像できます。近隣住民からの相談によって発覚しましたが、当事者に対して行われた指導は餌やりの時間など飼い方指導のみ。ここで何をおいてもまず不妊手術を行うべきですが、多くの自治体はそのための制度も術も持っていません。多頭飼育崩壊が大きな社会問題となるなか、国や自治体はこの問題とどのように向き合っていくのかを真剣に考える必要があるのではないでしょうか。
本件については、新たに発見された2頭を除いて不妊手術済みとなりました。その2頭については2回目の申請を速やかに行っていただくこと、また、今後は飼育環境の改善が求められます。動物愛護センター等も交えて指導を継続するなど、真の解決を図っていただきたいと強く願います。