12_北海道倶知安町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.12
申請日:2024年5月13日
申請/実施責任者:後志総合振興局 環境生活課 自然環境係
場所:北海道虻田郡倶知安町
居住者:当事者本人(72歳、男、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):17頭(0頭)(20頭で申請するも実際は17頭だった)
手術日:6月25日、7月10日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:20枚
手術頭数:17頭
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 当事者は母と同居していたが、母の死後に母が飼養していた猫を当事者が引き継いだ。母の存命時より多頭飼育状態であったとの証言がある。その他詳細については、当事者が入院中であり不明。
  2. 入院中の当事者から町へ、自宅に残してきた猫の対応依頼があったことから現地を確認して発覚。
  3. 現場の状況から十分な管理がされておらず、不妊手術未実施の状態で外との往来が自由にできる状態であったことが容易に想像できた。これらのことから、自家繁殖が多頭飼育状態に陥った主な原因と考える。
  4. 当事者入院中の対応で発生した猫の傷病・死亡に対しての責任は問わないことを伝えたうえで、猫の生命維持に必要な手配等への協力を行うこととした。
  5. 当事者は不妊手術の必要性は理解しているが、母と同居時からすでに多頭飼育状態であり、経済的理由により対応ができていない。
  6. 入院の長期化が予想され、このまま放置することにより飼養環境の更なる悪化等で猫の健康状態も危惧される。また、周辺環境の悪化にも繋がる恐れがあることから、これ以上頭数を増やさない取り組みとして救済支援の申請に至る。
  7. チケットを使用して全17頭が手術済みとなった。
  8. 手術後、衛生環境は随分と改善されたが臭い等は完全に除去できていない。猫の健康状態やストレスは改善されたと判断している。当事者は入院中であるため、支援後の給餌給水・飼養環境の改善は行政・振興局に登録されている動物愛護推進員の協力を得て対応している。
  9. 当事者の長期療養が必要となったことから、今後は動物愛護推進員の協力を受けて、全頭保護・譲渡に向けた取り組みを検討中である。
手術日オスメス耳カットのみ
6月25日133016
7月10日1001
143017

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者が管理できる頭数を超えてしまう前に何らかの対応ができるよう、多頭飼育状況の把握など地域の関係者のネットワーク構築の必要性など、未然防止に繋がる取り組み強化の必要性を感じている。
しかしながら、当事者の病気による突発的な対応となった本件では、動物愛護推進員の協力なくしては対応できなかった。今後はさらに緊密な連携を確保していくとともに、動物愛護推進員が活動しやすい環境づくりを今以上に整備していくことが必要と考えている。


どうぶつ基金スタッフコメント
もともとは当事者の母が飼養していた猫でした。投げ出すことをせず猫たちのお世話を引き継ぎ、入院先の病院から町に猫の対応を依頼したことからも、当事者は責任感がある方なのだろうと想像します。当事者からのアクションがなければ、猫たちは誰にも気づかれず命を落としていた可能性もありました。全国にそのような悲しい事例がたくさんあるなかで、本件の猫たちに支援の手が届いたことにまずはホッとしています。
今回の支援で17頭全頭が手術済みとなり、これ以上の繁殖は止めることができました。当事者は長期療養が必要とされており、今後は町や振興局、動物愛護推進員の皆様のご尽力によって、現場の猫にとって最善の方法が取られるでしょう。当事者はまず自身の回復を優先し、自宅に戻ることができた時に残った猫たちのお世話を懸命にしていただきたいと思います。


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