61_和歌山県かつらぎ町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.61
申請日:2025年3月15日
申請/実施責任者:かつらぎ町役場 環境課
場所:和歌山県伊都郡かつらぎ町
居住者:当事者本人(68歳、男、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):25頭(1頭)
手術日:3月28日
協力病院:堺スペイクリニック
チケット発行数:25枚
手術頭数:2頭(期日内に病院の受け入れ枠を確保できなかったため)
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 5年ほど前に1頭の飼い猫を連れて転居してきた。飼い猫はメスで、当事者は可愛がっているものの猫の生態について詳しくなく、健康な体を傷つけるのが可哀想という思いもあり不妊手術をしていなかった。
  2. いつしか付近にいた野良猫が家の中に入り込むようになり、飼い猫のメスと交配。そこから生まれた子猫も住みつき、昨年の夏頃に一気に頭数が増えた。
  3. 当事者は一人暮らしで収入は年金のみのため、これ以上猫が増えると生活が圧迫される。また、自分に何かあると猫の世話をしてくれる人がいない。手術をするのは可哀想だと思っていたが、ボランティアの方から話を聞いたり、インターネット等でいろいろな活動があることを知り、これから先のことを考えて「何とかしなければいけない」という思いに至り役場に連絡があった。
  4. 室内は大きく散らかってはいないが、室内に設置しているトイレおよびその付近は糞尿があり臭いがきつい。当事者の年齢や健康を考えると、今以上に猫が増えることは生活困窮につながる恐れがあり、多頭飼育救済の申請を行った。
  5. 申請頭数分のチケットが発行されたが、発行日から使用期限までの期間が短いこともあって病院の手術枠が確保できず、手術できたのは2頭のみであった。
  6. 手術した2頭の猫を含めて健康状態に変わりはなく、全頭、当事者が飼養を継続している。食事場所等の清掃を行い、トイレを3か所から8か所に増やした。
  7. 残る23頭については早期に2度目の申請を検討している。
手術日オスメス耳カットのみ
3月28日1102
1102

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
今回は時間が限られている中での申請となり、またチケット発行から使用期限が短かったので、今後は余裕をもって申請を行い予定する頭数の手術を行いたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
飼い猫を最初に手術しておけば…と悔やまれる案件ですが、当事者は自分自身で情報を集め、先のことも考えて自ら行政に相談しました。「不妊手術は可哀想」という考えを持つ方は一定数いますが、自分の考え方を変えるのは簡単ではありません。知識不足により猫を増やしてしまったことについては反省が必要ですが、自ら考え方を変えて行動できた当事者の根底には、やはり猫への愛情があったのだろうと感じました。
今回は使用期限の問題もあり2頭のみの手術で終わりましたが、新年度に入ってすぐに2回目の申請が行われており、残る23頭の全頭手術完了に向けて動き出しています。一刻も早く、当事者と猫たちが不安や心配事なく暮らせる日がくることを願っています。


2024年度 多頭飼育救済支援実績はこちら
多頭飼育救済に関するお問合せはこちら

最近の投稿
  • 33_北海道中富良野町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)(往診)
  • 41_福岡県那珂川市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
  • 54_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済レポート(行政枠)  
  • 29_茨城県神栖市多頭飼育救済レポート(行政枠)