ちきゅう部

とうぶつ基金が活動を進めるなかで見えてきたこと、それは「私たちの周りのすべての生物を取り巻く地球全体の自然環境が危機的な状況にある」ということでした。そこで、これまでの経験と知恵を活かし「すべてのいきものが幸せに共生でき、かつサステナブルな地球環境を実現する」ために新たなセクションを設立しました。それが「ちきゅう部」です。
「すべてのいきものが幸せで自由な地球」になるには「すべてのいきものが幸せに共生できるサステナブルな地球環境」を実現しなければなりません。その実現に向けて特に配慮したいのは、
「生きもの目線で弱者にやさしくする」
「ヒトの役に立つから、希少だから、という理由で命に差をつけない中長期的な視点を持つ」
この二点です。
これは、どうぶつ基金が長年取り組んでいる「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」への反対活動のなかで何よりも強く感じたことでした。

科学的にも正しい、いきものと弱者へのやさしさを、広く伝えていきたい。
それができるどうぶつ基金になりたい。
犬や猫だけでなく、というより、犬や猫のためにも、ほかの生きものの命も大切にしたい。
人間の健康な未来も大切にしたい。

どうぶつ基金の定款にある目的 / ミッションは「動物の適正な飼育法の指導・動物愛護思想の普及等を行い、環境衛生の向上と思いやりのある地域社会の建設に寄与すること」です。ここに、目指すべき未来への展望として「すべてのいきものが幸せで自由な地球」を加え、今まで以上に幅広で活発に活動していきます。

ちきゅう部宣言

  1. どうぶつ基金はこれまで、犬や猫が殺処分されることなく、幸せに人と共生できる世の中を実現するため、さくらねこTNRを中心に活動してきました。
  2. その活動を通して、ヒトも犬もネコもミジンコも木や花も土も水も、みんな絶妙なバランスでつながっていること、どれひとつ、ないがしろにしてはうまくいかないことに気がつきました。
  3. ヒトが何かを守ろうとして他の生き物を駆除すると、絶妙なバランスが崩れ、けっか、地球全体や人の心まで壊してしまう、そんなことが現実に起きています。
  4. そこで地球の全体を見て考え行動する「ちきゅう部」を、アースデイ4月22日に設立します。(アースデイがバースデイです)。
  5. これまでの活動で養った「常識を疑う目」で地球の全体を見ます。(「常識を疑う」姿勢を大切にします)。
  6. どうぶつ基金は、ちきゅう部の設立にあたって、大ぶろしきを広げます。そして地球をやさしさで包み込みます。

2021年 4月 22日 アースデイ どうぶつ基金

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あまみのさくらねこ

2018年、環境省・鹿児島県・奄美5市町村は、「ノネコ(=奄美大島で野生化した猫)」がアマミノクロウサギなどの国内希少種を捕食し生態系に影響を及ぼしているとして「奄美大島における生態系保全のための ノネコ管理計画(以下、ノネコ管理計画)」を策定しました。

計画のなかで、捕獲した猫について “飼養を希望する者への譲渡に努め、譲渡できなかった個体は、できる限り苦痛を与えない方法を用いて安楽死させることとする” と記されています。固有種の絶滅を防ぐという理由からノネコを3,000頭捕獲して駆除する「殺処分」前提の計画です。

どうぶつ基金はこの計画に対して明確に反対を表明し、計画の中止を求めてこれまでさまざまな活動を行っています。

<主な活動内容>

  • 奄美大島に期間限定のTNR専門病院を開院し、島内の飼い主のいない猫に不妊・去勢手術を無料で実施
  • 計画の中止を求める署名活動
  • 環境省等に対する質問状や要望書の提出

環境省の調査では、2003年に2,000~4,800頭(推定)だったアマミノクロウサギの生息数は、2015年には16,580~39,780頭まで増加しています(朝日新聞による公文書公開より)。
かつてハブを駆除するため奄美大島に持ち込まれたマングースがアマミノクロウサギを捕食しているとされ、2000年から実施された「マングース駆除計画」は2015年にほぼ完了(人の都合で持ち込まれ、人の都合で駆除されたマングースも被害者です)。そして、アマミノクロウサギの生息数は増加に転じています。

そんな状況のなかで、曖昧なデータを根拠に「ノネコ」に着せられた濡れ衣。その濡れ衣を晴らし、奪う必要のない命を奪う計画の中止を求めて活動しています。

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