沖縄県「やんばる」でノラ猫の捕獲をしていた!

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「世界遺産を口実に、奄美や沖縄の猫を安易に殺処分しないでください!」

平成29年、国頭村では167頭、大宜味村では127頭のノラ猫が捕獲され収容されました。猫たちは、収容後1週間ほど経っても飼い主が現れなければ愛護センターに移動され、そのほとんどが殺処分されました。

●やんばる3村とは…

沖縄島北部のやんばる地域には、国頭村(くにがみそん)、大宜味村(おおぎみそん)、東村(ひがしそん)の3村があります。
3村合わせた人口は1万人余りです。この地域には多くの固有種を含む「やんばるの森」があります。
(やんばる3村地域に占める森林の割合は75%以上)

やんばる3村が連携し、世界自然遺産に資する地域資源を保全し、地域振興を図るため、平成29年に「やんばる3村世界自然遺産推進協議会」が設立。
この協議会では、やんばるの森を安全に楽しむために必要な注意点や、観光客の皆様に守って頂きたいルールを盛り込んだ「やんばる3村ルールブック」を発行しています。

やんばる3村、各村での猫の対応を比較してみました。

国頭村 東村 大宜味村
人口 4,922人(2015年) 1,876人(2016年1月) 3,097人(2018年9月末)
総面積 194.80㎢ 81.88㎢ 63.55㎢
H29年度 猫の捕獲数 167頭 39頭(持込) 127頭
H29年度 猫の返還数 6頭 0頭 1頭
H29年度 猫の譲渡数 19頭 4頭 38頭
H29年度 愛護センター移管数 142頭 35頭 88頭
特記事項 行政がかご縄を仕掛けに出向いて捕獲して持ち帰っている。 持込みの猫を拒否するような事例は今までなかったと思う。 村外からの捨て猫があり、そういった猫は捕獲している。

※捕獲数は引き取り数も含む
※東村は猫の捕獲を行っていないとのこと。

●やんばる3村では…

希少動物保護目的として猫の収容をしている。

集落内にいる猫(飼い猫、ノラ猫)を保護することによって山林に入って野生化を防ぐことと、希少種を食べることを防ぐことを目的とする。

 

国頭村(クニガミソン)の場合

H29 捕獲数 返還数 譲渡数 愛護センター移管数 特記事項
国頭村 167 6 19 142 苦情があった現場に出向き、職員が猫の捕獲を行っている。住民サービスとして、住環境の改善につなげている。首輪やそれに準じたものはついていなかった。

どうぶつ基金と国頭村役場との質疑応答  2018104 1133

Q 捕獲された167頭の内、みみ先カットされた猫はいましたか?

A  いない(0頭)

 

Q 飼い主に返還された猫6頭の内 マイクロチップは全頭に入っていましたか?

A    5頭にマイクロチップが入っていた。内、1頭はマイクロチップは入っていなかったが、連絡先入りの名札をしていた。(この猫は子供についてきた猫。付いてきて困ると子供から相談があり、対応した。)

 

Q かご縄は、何器、どこに仕掛けているのですか?
A

  •   詳細は把握できていない。例えば、住民から猫が家に入ってきて困るから捕まえてくれと頼まれたら,行政がかご縄を仕掛けに出向いて捕獲して持ち帰っている.
  •   捕獲器は20器、所有している。

※ご参考

国頭村ネコの愛護及び管理に関する条例

http://www.vill.kunigami.okinawa.jp/reiki/act/frame/frame110000334.htm

13条 村長は、マイクロチップによる個体識別番号等の、登録状況等を確認した上で、飼い主が判明しないネコに関しては、関係機関と協力し保護収容することができる。

(1)  村長は、ネコを保護収容したときは、保護した旨を、規則に定める必要な期間公示し、譲渡の機会をつくらなくてはならない。(譲渡及び返還等の優先)


*国頭村は住民サービスとして、苦情があった現場に職員が赴き猫の捕獲を行っていることについて、動物愛護法に抵触するのではないかと危惧されます。
(行政は住環境の改善につながるとの回答でした)


大宜味村(オオギミソン)の場合

H29 捕獲数 返還数 譲渡数 愛護センター移管数 特記事項
大宜味村 127 1 38 88 村外からの捨て猫があり、そういった猫は捕獲している。

Q 収容した猫について?

A 全頭マイクロチップリーダーでチェックしている。10日間以上(最長24日)里親探しをしてる。

 

Q 保護された127頭の内、みみ先カットされた猫はいましたか?

A     いない(0頭)

*猫は、たとえ外で餌をもらっているだけの野良猫であったとしても、管理している方がいれば捕獲しない。(調査や聞き込みをしている。)
ただ、村外から捨て猫もある。見たことのない猫が急に現れたりする。子猫だけでなく成猫も捨てられているようだ。そういった猫は、捕獲している。


東村(ヒガシソン)の場合

H29 引き取り数 返還数 譲渡数 愛護センター移管数 特記事項
東村 39 0 5 34 村外からの捨て猫があり、そういった猫は捕獲している。

Q 収容した猫について?

A 全頭マイクロチップリーダーでチェックしているが、ゼロだった。 首輪やそれに準じたものはついていなかった。
10日間以上(最長24日)里親探しをしてる。

 

Q 引き取った猫39頭のうち、みみ先カットされた猫はいましたか?

A  いない(0頭)

  • 東村として猫の捕獲は一切していない。。
  • 猫の捕獲器は所有していない。
  • 猫の持ち込みがあったときに、飼い猫か、外で餌を与えて増やしてしまっている猫かを聞いている。
  • 外で餌を与えて増やしてしまっている猫の場合は、指導を行ったり譲渡の協力をすることもある。
  • 不妊去勢の協力はしていない。(村に手術のための助成金制度はない。)
  • 持込みの猫を拒否するような事例は今までなかったと思う。

【どうぶつ基金の見解】

将来ノネコになるかもしれないという理由で予防的措置として愛護動物である猫を保護と称して捕獲したり引き取りをしています。国頭村ではその85%が殺処分されています。
(行政はあくまでも駆除ではなく保護と説明)

国頭村、大宜味村では本捕獲を「集落内にいる猫(飼い猫、ノラ猫)を保護することによって山林に入って野生化を防ぐことと、希少種を食べることを防ぐことを目的とするための猫の保護であって、捕獲ではない」と述べられています。しかし、現実は保護とは程遠く、29年度国頭村行政によって罠により捕獲された167頭(大宜味村127頭)の猫のうち実に142頭(大宜味村88頭)が愛護センターに引き取られて殺処分されています。これは保護ではなく「猫の殺処分ありき」の駆除目的の捕獲です。

【平成24年 動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議】(以下、付帯決議)において、飼い主のいない猫の駆除目的の捕獲は原則として認められていません。本捕獲は、付帯決議を無視した事業と考えられます。

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