奄美のノネコ問題について院内集会

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「世界遺産を口実に、奄美や沖縄の猫を安易に殺処分しないでください!」

12月20日 参議院議院会館で、奄美のノネコ3000頭駆除殺処分計画の中止を
求める代表者たちと環境省との話し合いが持たれました。

日時:12月20日 13時~15時
場所:参議院議員会館
出席者(敬称略):福島 瑞穂 動物愛護議連事務局長、佐上 邦久 公益財団法人どうぶつ基金理事長、齊藤 朋子 NPO法人ゴールゼロ代表 チェンジオルグ発起人、太田 匡彦 朝日新聞記者、
他3名/環境省希少種保全推進室担当者2名

環境省は
「たとえ アマミノクロウサギが増加していたとしても、多 く の 絶滅のおそれのある種 に対しての
捕食が継続しており、 その脅威となっている」
「ノネコ、ノラ猫、飼い猫にかかわらず、猫が山中に存在することは、希少種絶滅の脅威であるので、
完全駆除をする必要がある」
という主張を曲げず、24時間、水やエサを与えず、クマネズミと混合した状態で占有して致死させた事も
「残念だが、脅威である山の猫を絶滅させるためには仕方ない事、正当な行為だ。」という答弁を繰り返しました。

 

会議前日、急に欠席を通知してきた環境省動物愛護管理室からの伝言として、
「捕獲器に占有して致死させたトゲネズミもノネコも捕獲器に占有された時点から愛護動物とみなされる」
ことは認めましたが、それは猫を山中から完全駆除するためにはやむ負えないと主張しました。

「環境省としては、 動物 の 愛護 及び 管理 に関する法律を踏まえ、虐待と なることがないよう
捕獲 事業を実施しています。」に対する具体的な改善については、「捕獲器を踏板式から、釣り針式」
に変えたこと以外は、大きな変更をする気は無いようです。

(※釣り針方式は、釣り針部分が目に刺さり怪我や失明をする事故が多発し危険なため、
現在では多くの市民ボランティアが使用を中止しています。どうぶつ基金)

環境省の回答概要は以下の通り

1、誤捕獲してトゲネズミを致死させた捕獲器の点検は1日1回から全く改善していない。
現状は6人の作業員が300個の捕獲器(24時間稼働)を1日1回だけ見回っているが、
その方法を変更して稼働している捕獲機の数や稼働時間を減らしてはいない。
2、誤捕獲対策として捕獲器を踏板式から、吊り下げ式にいくつかは変更中である。
3、トゲネズミもノネコも捕獲器に占有された時点から愛護動物とみなされることは認める。
4、愛護動物となった希少種や猫が誤捕獲されて水もエサも与えられない状態で長時間、
放置され死んでも、それは仕方ない事。山中の猫を絶滅させなければ希少種が将来絶滅する
可能性があるので、山中の猫がゼロになるまで現状の捕獲は続ける。現状の捕獲方法での犠牲は、
猫の完全駆除までは、仕方ないと判断している。
5、動物愛護法を順守した形の捕獲方法が実現するまでの捕獲の暫定的な中止は考えていない。

以上のように、すべての答弁は「猫は希少種を絶滅させる新たな脅威であるから、猫を絶滅させる必要がある」という誤った主張のもとに答えられています。

繰り返しになりますが、アマミノクロウサギの推定生息数は2003年時点で2000-4800頭(奄美大島)でしたが2015年には最大値で約10倍にまで激増しています。他の希少種も激増していることが環境省の資料に残されています。この間、猫の駆除は試験として12頭ほどしか行われていません。

希少種、激増の理由はマングース駆除が奏功したことであり、猫は脅威ではないことは環境省自身の調査により明証されています。
今回の会議でも環境省は奄美のネコ3000頭駆除殺処分計画の正当性を数値で示すことができませんでした。
これは税金の無駄遣いであり、命を軽視した冷血な計画です。
私たちは、これからもノネコ管理計画の完全中止を求めて戦います。どうか心ある皆様の応援をお願いします。

公益財団法人どうぶつ基金
理事長 佐上邦久

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どうぶつ基金では、さくらねこTNRをはじめとした実践活動はもとより、
国会や環境省へのロビー活動を行い、殺処分ゼロを目指しています。
どうぶつ基金の理事は、無報酬で活動を行っています。また出張に伴う旅費、宿泊費も個人で負担し、財団の費用は一切使っていません。こうして爪に火を灯すような節約をして、無料不妊手術費、資料の制作費や広報費用などに使い、殺処分のない日本を実現に向けて日々活動しています。
しかしながら年末に向けて全国から届くヘルプの声にすべて応えることはできず、活動費用の不足は危機的状態です。

どうかお願いです。
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