地球に優しくするために必要な言葉と意味をおぼえよう!「SDGsができたわけ」

こんにちは。
どうぶつ基金理事長の佐上邦久です。
どうぶつ基金の「ちきゅう部」は《みんなで地球を良くしよう》という活動です。

そして地球や環境の話に出てくる言葉。
まずはその言葉の意味を皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。
先日のメルマガ『地球に優しくするために必要な言葉と意味をおぼえよう!』第2弾。
表題は「SDGsができたわけ」
どうぶつ基金はすでに内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」に参画しています
前回に引き続き、どうぶつ基金の相談役であるマエキタミヤコさんに、
年表を使って分かりやすく教えていただきます。


地球に優しくする言葉 その1からつづく。)

地球に優しくする言葉 その2
「SDGsができたわけ」

いまから約60年も前のこと。
アメリカの役所で水の生き物を研究していた、
レイチェル・カーソンという女の人が本を出しました。
題名は「沈黙の春」
農薬は危険。
こんなに農薬をたくさん使っていたら、生きものがいなくなってしまう。
鳥もカエルも鳴かない。春になっても。
という内容で、またたく間にベストセラーになりました。

その10年後、
コンピューターが今のようになかった頃、
今度はドネラ&デニス・メドウズというシステム論の研究者の夫妻が「成長の限界」
という本を書いて話題になりました。
地球の資源は有限なので、人間の経済がずっと右肩上がりで発展するわけではない。
という衝撃の内容でした。
今なら当たり前の話ですが、当時は「そんなことない!信じられない!」の大合唱でした。
今でもときどき「経済は右肩上がりを維持できる」という思い込み、
既成概念から抜け出ていない人がまだいます。
ずいぶん少なくなりましたけれど。

人間はそれまで、500年前の大航海時代の頃から、新しい土地と人を見つけて支配するのに夢中で。
いけいけドンドンで。
250年前に産業革命が起こり、230年前にフランス革命が起こってからも、
ドンドンものを作って売ってお金持ちになるんだー、
自由資本主義ってこういうことなんだーと、ハッスルしてきました。
それが、ちょっと待って、となったものだから、
きょとんとする人は出るわ、えーとガッカリする人は出るわ、で、大混乱でした。

でも、ちょっとまった、とはいえ、
「沈黙の春」「成長の限界」も、個人の民間の人が書いたものだよね、
国連としてちゃんと裏を取ろうよ、という話になりました。
それはこの本を始めとする環境汚染と人間社会の関係が気になる人たちが、
国連で会議をしていた時に出た話です。

この会議の名前は「国連環境計画管理理事会特別会合」、別名「ナイロビ会議」
1982年のことでした。
実はこの会議、2回目でした。
1回目の名前は「国連人間環境会議」、別名「ストックホルム会議」
ナイロビ会議の10年前、1972年に始まりました。
最初は北欧、2回目がアフリカで開かれました。
開かれるタイミングも10年おき。
次の10年後にこの会議は大成長と大変身することになります。
当時、北欧では小児癌の患者が多く報告されていました。
小児癌の原因は、実は、環境破壊ではないかと疑われ始めた頃でした。

さて。この会議は、どう大変身したのか。

アフリカに戻りましょう。
ナイロビ会議では、人間社会を騒がしている
「環境破壊で人間社会は変更を求められている」というテーマが事実かどうか、
裏をどうやって取るか、という話になっていました。
ホスト国は日本でした。
そこで日本が提案しました。

「賢人会議を作って調べよう」
賢人会議というのは、みんなが納得する世界の叡智を集めた会議のことです。
この案は通り、
北欧ノルウェーの首相だった小児科医、
グロ・ハーレム・ブルントラントさんが座長となって、次の会議のために調査をし、
その結果をまとめた本「私たち共通の未来/我ら共有の未来/地球の未来を守るために(Our Common Future)」を出しました。
この本には、
「沈黙の春」や「成長の限界」や当時の環境破壊や自然破壊を心配する声について、
科学的な裏づけを取り、さらにどうしたらいいか、が書いてありました。
国連の正式な調査に基づいていましたから、国連の正式文書でした。
そこに書かれていた内容をひと言でまとめた言い方が
「サステナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)」でした。
「将来世代のニーズを損なうことなく現在の世代のニーズを満たすこと」と、
もう少し、くわしく書かれることもあります。
聞き慣れない言葉ばかりで、理解できない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、
話の流れとしては単純です。

「自然が壊れると人間は生きていけない」

人間社会を守るため、自然を守ろう。
世界中のくにが力を合わせて、この課題に取り組むことにしました。
私たち共通の未来を守るために。

次の会議は5年後にせまっていました。
会議のテーマは「サステナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)」と、
おそろいにしました。
そして、この会議に集まったみんなが、
賛成のサインをしたら、
自分の国に持ち帰ってすぐに取り組めるように、
やることリストみたいな、宿題帳みたいな、ぶあつい書類を準備しました。
その名前を「アジェンダ21」といいます。

5年後、1992年。
南米ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで、第一回地球サミットが開かれました。
「サステナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)」というかけ声のもと、
ほぼすべての国連加盟国となる172カ国の代表と、
協議資格をもつNGOの代表2400人、
のべ4万人が集まる、史上最大規模の国連会議となりました。

アジェンダ21が採択され、
10年後の会議で、宿題の進み具合をみんなで持ち寄って報告しあおう、
ということになりました。

それから会議のテーマはずっと「サステナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)」です。
地球サミットも、2002年に第二回、2012年に第三回を開催しました。
次はおそらく2022年の第4回。
そろそろ開催都市が発表されることですが、まだ見つかりません。
コロナの影響はあるのでしょうか。
そして、
人類が「サステナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)」という課題を達成できるのはいつになるでしょうか。
長くなったので、今日はここまで。
次回は「サステナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)」自体をもう少しくわしく見ていきましょう。

地球に優しくする言葉 その1はこちら。)

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