奄美ノネコ駆除はクロウサギ増加に寄与せず 猫駆除の中止を要請

ネコ駆除なしの15年でアマミノクロウサギは500%増加、ネコ駆除後も増加率に変化なし

2023年10月18日、公益財団法人どうぶつ基金理事長の佐上邦久は、参議院会館で行われた「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」第2回ノイヌ・ノネコPT関係者ヒアリングにおいて、「マングース駆除数」「スダジイ豊凶年」「ノネコ駆除数」とクロウサギ増加の相関性について環境省から得たデータを基に分析した結果、相関性はないと断定し、あらためて「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」を即刻中止するよう環境省に訴えました。

-第2回ノイヌ・ノネコPT 2023年10月18日 参議院会館 会議室-
参加国会議員:福島議員、串田議員、塩村議員、
関係者ヒアリング:どうぶつ基金理事長 佐上邦久、NPO法人ゴールゼロ 墨田由梨さん
環境省担当官


「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」は即刻、中止すべき愚策です。

「マングース駆除数」「スダジイ豊凶年」「ノネコ駆除数」とクロウサギ増加の相関性について 環境省から得たデータを基に分析した。

  1.  マングース駆除が行われた奄美大島とそもそもマングースがいない徳之島でのクロウサギ増加率は、どちらも 年平均13~14%である。(あくまで推測であるが2001~2006年に16,000頭の駆除が行われた結果、マングースの捕食圧はほぼなくなったのかもしれない。)
  2. 奄美大島のスダジイ豊凶と クロウサギ増加率に相関性は見いだせない。
  3. 奄美大島における ノネコ駆除が行われなかった2014年から2017年のクロウサギ増加率(平均15%)と、319頭の駆除が行われた2018年から2021年の増加率(平均14%)に変化がないことから、ノネコ駆除とクロウサギ増加率に相関性は見いだせない。

以上の分析から「マングース駆除数」「スダジイ豊凶」「ノネコ駆除」とクロウサギ増加の相関性はないと断定できる。

【結論】
「クロウサギを絶滅させる新たな脅威ノネコを山から駆除しなければならない」という大義名分で始まった「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画(2018年度~2027年度)」だが、クロウサギは奄美大島、徳之島とも2003年から2017年までに500%増加している。この間、ノネコ駆除は行われていない(奄美大島で試験的に13頭の駆除が行われた)。

以上から「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画(2018年度~2027年度)」は、「クロウサギをくわえた猫の写真が撮影された」という、その場限りのエピソードに頼って創られた政策であり、内閣府が推進するEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング=証拠に基づく政策立案 ※1参照)とはかけ離れたもので、FBPM(ファンタジー・ベースト・ポリシー・メイキング=空想に基づく政策立案)といえる愚策である。

この愚策のために、これまで数億円の税金が投入され、また誤捕獲によって奄美大島の固有種を含む多くの生物が命を奪われた。

「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」は即刻、中止してください。

※1(内閣府HPより抜粋)
~内閣府におけるEBPMへの取組~
EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング=証拠に基づく政策立案)とは、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすることです。
政策効果の測定に重要な関連を持つ情報や統計等のデータを活用したEBPMの推進は、政策の有効性を高め、国民の行政への信頼確保に資するものです。
内閣府では、EBPMを推進するべく、様々な取組を進めています。


署名のお願い
「猫や犬の殺害犯罪をなくすためノネコ、ノイヌを狩猟鳥獣から削除してください」
https://chng.it/WbJ8fFDFr4

世界遺産を口実に、奄美や沖縄の猫を安易に殺処分しないでください!
https://www.change.org/SaveCatsAmamiOkinawa

ご寄付のお願い
https://www.doubutukikin.or.jp/contribution3/

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