徳之島ごとさくらねこTNRプロジェクト 概要

主 催:公益財団法人どうぶつ基金
申請者:徳之島3町(天城町、伊仙町、徳之島町)
期 間:2014年11月~2016年3月
場 所:鹿児島県奄美群島徳之島 
会 場:旧徳之島町立神之嶺小学校下久志分校跡、旧徳之島農業高校跡、天城町農業センター
計 画:徳之島にいる猫(推定3,000頭)の不妊手術を実施する。
    手術費用は公益財団法人どうぶつ基金が全額負担し、猫の捕獲や手術後のケア、リリースを
    地域住民と行政が担う。

スケジュール
第1回 537頭の猫に不妊手術を実施 2014年11月17日〜21日 終了しました。
第2回 641頭の猫に不妊手術を実施 2015年1月25日〜31日 終了しました。
第3回 251頭の猫に不妊手術を実施 2015年4月16日〜21日 終了しました。
第4回 233頭の猫に不妊手術を実施 2015年6月14日〜19日 終了しました。
第5回 314頭の猫に不妊手術を実施 2015年11月5日〜9日 終了しました。
第6回 160頭の猫に不妊手術を実施 2016年1月24日〜27日 終了しました。

世界自然遺産登録への取り組み
このたび公益財団法人どうぶつ基金では鹿児島県奄美群島の世界自然遺産登録への取り組みとして、鹿児島県伊仙町と協働して、猫の捕食によるアマミノクロウサギ絶滅の保護措置のために徳之島に生息するすべての猫のさくらねこTNR無料不妊手術を行うことになりました。

徳之島は国の特別天然記念物アマミノクロウサギの生息地です。徳之島は現在国定公園に指定されていますが近く国立公園に指定される見込みで、2年後までに世界自然遺産登録を目指していますが、その根拠であるアマミノクロウサギは徳之島にわずか200羽といわれており環境省レッドリストの絶滅危惧IB類(絶滅危機)に指定されています。(写真:環境省)

アマミノクロウサギと猫
環境省がアマミノクロウサギの幼獣の生息状況等をモニタリングするために実施しているセンサーカメラによる自動撮影調査において、ノネコがアマミノクロウサギの幼獣を捕食している場面が撮影されました。
不妊手術を施さないなどといった不適正な飼養や遺棄により、野生化した犬やねこの一部は繁殖し、野生生物を捕食するようになり、今回のような重大な事態をもたらす結果となってしまったのです。

どうぶつ基金と世界遺産とさくらねこ
どうぶつ基金ではこれまでに世界文化遺産・国宝姫路城、世界自然遺産・沖縄県石垣島の川平湾などで、さくらねこTNRを行い、問題を解決に導いてきました。

海外ではイタリアのローマにある世界遺産地域でも現地の愛護団体がTNRを行い、ノラ猫問題を解決しています。ローマ市では歴史地区に暮らす猫自身を歴史遺産として認定し居住権を認めています。
世界自然遺産に登録されるためには、自然の資質が一定の基準を満たしていることに加え、その自然の資質を損なわないよう法律・制度に基づいた保護措置がとられていなければなりません。

奄美地域の自然資源の保全・活用にあたっては、保護措置として「国立公園」の指定が有効であるとし、亜熱帯照葉樹林を中心とする生態系全体を管理する「生態系管理型国立公園」、人間と自然が深く関わり調和してきた関係そのものを対象とする「環境文化型国立公園」というこれまでにない国立公園を目指すこととしています。現在、国立公園指定を目指した取り組みが進められています。

徳之島ごとさくらねこTNRを行う理由
どうぶつ基金では2014年11月と2015年1月に現地に獣医師団を派遣し、約1,200頭のノネコ、飼い猫、ノラ猫にさくらねこ不妊手術およびワクチン、ノミ、ダニ駆除薬の投与などを行いました。(2015年年2月に訂正追記)

その後は、2016年3月までに推定3,000頭の島の猫すべてに不妊手術を施しさくらねこにすることで、猫を殺処分することなく、人とアマミノクロウサギとネコが共生する島として、亜熱帯照葉樹林を中心とする生態系全体を管理する「生態系管理型国立公園」、人間と自然が深く関わり調和してきた関係そのものを対象とする「環境文化型国立公園」というこれまでにない国立公園指定を受け、世界自然遺産登録を目指すことで天城町・伊仙町・徳之島町と合意しました。
奄美野生生物保護センター

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