徳之島さくらねこ

どうぶつ基金では鹿児島県奄美群島の世界自然遺産登録への取り組みとして、鹿児島県大島郡の徳之島3町(徳之島町・伊仙町・天城町)と協働して、猫の捕食によるアマミノクロウサギ絶滅の保護措置のために、徳之島に生息する全ての猫のさくらねこTNR無料不妊手術を、2014年11月から2016年3月までの間に2,136頭の猫の不妊手術を行いました。

このまま徳之島の猫を放置しておけば、アマミノクロウサギは猫の捕食によって3年ほどで絶滅するという環境省の言葉を信じて、徳之島の猫の約80%に無料で不妊手術を実施し、徳之島全体の「TNR事業としては一定の成果を上げることができました。しかしその後、環境省から出された奄美大島・徳之島におけるクロウサギの増加数と猫のTNRとの相関関係を調べたところ、猫による捕食でアマミノクロウサギが減少しているという環境省の説は全くの虚偽で、猫の捕獲をしている期間もしていない期間も、クロウサギは順調に増加して2003年(290頭)から2021年(2,824頭)までの間に、約10倍に増加していることが判明しました。

またマングースと猫による捕食によって、クロウサギが絶滅するといわれている奄美大島においても、マングースと猫の駆除をしている期間もしていない期間も、クロウサギは順調に増加して2003年(2,329頭)から2021年(19,558頭)までの間に約8倍に増加していることが判明しました。

そして「クロウサギを絶滅させる新たな脅威ノネコを山から駆除しなければならない」という大義名分にのっとり環境省が主導する「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画(2018年度~2027年度)」が始まりました。

この愚策のために、これまで数億円の税金が投入され、また誤捕獲によって奄美大島の固有種を含む多くの生物が命を奪われ続けています。

どうぶつ基金では徳之島の活動でこれらの実態を知り「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画は即刻、中止」を求める署名や要望書を政府に提出して反対運動を続けています。

奄美大島徳之島
マングース駆除数クロウサギ数増加率スジダイ豊凶ノネコ駆除数クロウサギ数増加率TNR(どうぶつ基金)
2001年3,375環境省中央値環境省中央値
2002年2,191
2003年2,5652,329290
2004年2,5242,9841.283721.28
2005年2,5913,4901.174851.30
2006年2,7133,9271.135511.14
2007年7834,3491.116171.12
2008年9464,8381.11大豊作6831.11
2009年5985,4611.137491.10
2010年3125,6421.03凶作7681.03
2011年2725,6181.00大豊作8011.04
2012年1976,2751.127680.96
2013年1306,7431.07凶作※1(13)8621.12
2014年717,7701.151,0171.18
2015年408,6651.121,1441.122,136
2016年289,9681.15大豊作1,2901.13
2017年1011,5921.16凶作管理計画1,4361.11
2018年113,1521.13中豊作431,8831.31
2019年015,2591.161252,1891.16
2020年017,0941.12272,6261.20
2021年019,5581.141242,8241.08
合計(頭)19,347平均増加率1.13319平均増加率1.14

※1 奄美ノネコ駆除は2003年から2013年までの間に13頭
※上記データから「マングース駆除」「スジダイ豊凶」「ノネコ駆除」とクロウサギ増加の相関性は認められない

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