堺市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)⑪
申請No.11
申請日:2018年11月16日
申請/実施責任者:堺市南保健福祉総合センター子育て支援課
場所:大阪府堺市
居住者:当事者本人(30代、母親)、子ども3人
居住環境:ペット不可の府営住宅
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:8頭 ※うち1頭は手術済
手術日:12月27日
チケット発行数:7枚
協力病院:Happy Tabby Clinic
手術頭数:7頭
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
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- 3年半前の6月にノラ猫の子ども2匹(オス1匹、メス1匹)がカラスに襲われているところを子どもが拾ってきたところから猫の飼育が始まった。
- 飼育していた猫の発情期がきたため動物病院へ連れて行ったところ「手術をすると性格が変わってしまうので、発情期の時にホルモン注射をすればいい。」と提案されホルモン注射を数回実施した。
- その後子どもが段ボールに入れて捨てられた子猫6匹を拾ってきた。1匹は死亡もう1匹は知人が引き取り4匹が当事者宅に残った。この時点で先住猫と合わせ6匹(オス4匹、メス2匹)になった。
- メス2匹は発情期がくるとホルモン注射をしていたが、頭数が増えたことでメスの発情に気付いた時にはすでにお腹が大きく間もなく出産した。
- 業務の中で家庭訪問を行った際に、飼育していることがわかった。
- 当事者に関わっている子育て支援課ワーカーから生活保護や母子手当を受給しながら猫が増えてきているケースの生活改善に一緒に関わってほしいと相談を受けた。
- NPO法人FLC安心とつながりのコミュニケーションづくりネットワークづくり「人もねこも一緒に支援プロジェクト」に相談し、一斉避妊去勢手術の段取り、当日の猫の送迎、家の大掃除の手伝いを実施してもらった。
- 猫が病院で手術を受けている間に、大掃除をし一時的であるが多少の環境改善が見られた。
- 一斉避妊去勢手術前の一時期は11匹まで増えたが、当事者に関わっている行政ワーカーの指導と協力により4匹を里親に出し、8匹(1匹のみ手術済み)が家にいる。
- 生後1歳未満の猫は里親募集の努力をする予定。その他の猫は寿命まで飼い主が世話をする。また新たに猫を飼い始めるNPOと関係機関で見守っていく。飼い主は自宅の環境維持ができるようになることを当面の目標とする。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
12月27日 | 4 | 3 | 0 | 7 |
計 | 4 | 3 | 0 | 7 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
・一斉手術後、複数の福祉機関と繋げることができた。
・一方で飼い主の生活環境改善の部分にはまだ課題が残っている。
どうぶつ基金スタッフコメント
今回の多頭飼育救済の件では、行政とボランティア間の連携がうまくとれ、当事者も生活環境を変えようとする意志が感じられる。
爆発的繁殖を防ぐためには、最初の猫を迎え入れた時の不妊手術の重要性が明らになった事例である。
ペット不可の府営住宅にお住まいとのことから、今後は猫の譲渡にも力を入れて、人も猫も安心して暮らせる環境を作って欲しい。
現場 | オス | メス | 性別不明 | 耳カットのみ | 合計 |