菊池市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)⑬

申請No.13
申請日:2018年10月19日
申請/実施責任者:菊地保健所衛生環境課
場所:熊本県菊池市
居住者:当事者(54歳、女性無職、一人暮らし)
居住環境:持ち家/3LDK戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:106頭(83頭は手術済)
協力団体:動物愛護団体フィリア
手術日:12月25日、1月25日
チケット発行数:50枚
協力病院:竜之介動物病院
手術頭数:22頭

※チケット申請枚数と手術数に差異があるが、くまもと多頭飼育崩壊緊急レスキューチームが独自に手術を進めていた猫と重複したこと、手術前に死亡した猫がいたこと、当事者が自費で手術を行っていたことを把握していなかったため

※手術対象猫23頭中1頭が捕獲できなかったため未手術(早期の手術予定)

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

    1. 以前から猫を飼っていた。
    2. 数年前までは両親がいたため猫の世話もできていたが両親が亡くなり本人もガンを患ってから環境が激変した。
    3. 不妊手術が追い付かず猫が増えていき、その上寄ってくる野良猫にも餌を与えて居つかれてしまった。
    4. それに加えて近所の人が当事者宅に猫を遺棄し、そのような状態で不妊手術が行われず次々と増えていった。
    5. 住居自体が巨大な猫小屋状態。壁・床・テーブル等あらゆるものが糞まみれで臭いが充満していた。
    6. レスキューチームが入り、ワクチン接種や不妊手術等行っているが頭数が多大なため全てを賄うことが困難であり支援が必要と考え申請に至った。
    7. レスキューチームに当該案件における多頭猫の個体管理・ワクチン接種・飼育場所である自宅の清掃等を行い、当事者及び猫の生活環境の改善を図っていただいた。
    8. 全ての猫が真菌をはじめとする複数の感染症に罹っているため譲渡できた猫は18頭であるが現場に残っている猫74頭は当事者が飼育を継続している。
    9. くまもと多頭崩壊緊急レスキューチーム及び行政で症状を見ながら譲渡先を探すこととする。
    10. 現在、保健所・市役所・当事者家族と今後の方向性について協議中であるが当面このまま同じ場所に住み続ける。
    11. 手術前にくまもと多頭崩壊緊急レスキューチームが入り室内野良状態だったところの猫たちをほぼ全頭ケージに入れたため手術前と後での飼育場に外見上の変化はない。
    12. 猫については保健所がサポートしつつ、感染症が治療した個体から順次譲渡等を進めながら数を減少させていくように努める。
手術日 オス メス 耳カットのみ
12月25日 13 7 0 20
1月25日 2 0 0 2
15 7 0 22

【現場写真(支援前)】
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【現場写真(支援後)】
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今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
・チケットは50枚申請したが実際には手術対象猫(未手術)が半数程だった。
対象猫が半数ほどだった理由として以下のことが挙げられる。
①申請数とくまもと多頭崩壊緊急レスキューチームが独自に手術を進めていた対象猫が重複していた。
②対象猫で死亡した猫がいた。
③当事者らの資金で手術を行っていたことを把握できていなかった。
・結果として半数以上のチケットが残ることとなったため、対象猫の適切な把握が今後の課題である。
・また、未手術の1頭については人に慣れていない外猫であり、幾度も捕獲を試みたが保護することができず残ってしまった。
・野良猫の苦情や潜在的な多頭崩壊が懸念されるなか、今回本県で初めて貴団体の多頭飼育崩壊行政チケットを活用させていただき、解決の道筋ができたことはよかった。
・今後は問題点を踏まえさらに良い解決ができるよう努めていきたいと考えている。


どうぶつ基金スタッフコメント

今回のケースは、行政とボランティア団体が協力をし改善に繋げられた事案であった。

行政と団体の連携には、相互間の情報共有が大切と感じた。

爆発的繁殖を繰り返し、感染症も蔓延している状態の中で1頭を残して全頭不妊手術ができたことは大変評価できる。未手術の1頭も早期に手術を行うことが重要と考える。

治療後に譲渡に繋げる活動を続けて頂き、飼養頭数を減らしていけるのが今後の課題になってくる。


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現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計