沖縄県国頭郡多頭飼育救済支援レポート(団体枠)①
申請No.1
申請日:2019年3月18日
申請/実施責任者:一般社団法人動物愛護の会アベニール
場所:沖縄県国頭郡
居住者: 当事者本人(56歳、女)、配偶者(55歳、男)、息子(28歳、男)
居住環境:持ち家/平屋一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:23頭※うち2頭は手術済
手術日:4月6日~ 4月22日
協力病院:TNRなかぐすく
チケット発行数:21枚
手術頭数:21頭
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
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- 室内から逃げ出した雌猫が妊娠して帰って来て増えてしまったのがきっかけ。
- さらに近所の人が家の前に置いていったり、引き取ってくれと頼まれ、断れなかった。
- 2頭は自身で不妊手術を済ませているが、その後は追いつかず21頭が未手術となってしまった。
- 雌猫は外に出さないようにしているが、ノミの駆除も追いついておらず、どの猫も体中ノミだらけである。掻きすぎるせいでハゲている猫もおり、ノミの駆除も急がれる。
- 一般社団法人動物愛護の会アベニールが当事者宅付近で猫を保護し、話を聞いたことから状況を知った。
- まずは室内外全ての猫をさくらねこにして、ノミ駆除をおこなう。送迎は一般社団法人動物愛護の会アベニールが中心となって行うこととなった。
- 23頭のうち21頭は未手術のまま保護。手術できる猫はどうぶつ基金のチケットで全頭手術。
- 全頭現場に戻して、今後里親募集をする猫については、メディカルチェックやワクチンを当事者で行い、譲渡会に出す予定。
- 今後は動物は増やさず、もし保護した場合は一般社団法人動物愛護の会アベニールへ相談する予定。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
4月4日 | 0 | 5 | 0 | 5 |
4月8日 | 0 | 5 | 0 | 5 |
4月13日 | 2 | 3 | 0 | 5 |
4月22日 | 5 | 1 | 0 | 6 |
計 | 7 | 14 | 0 | 21 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
・当事者家族が手術に前向きで、スムーズに話ができた。
・全頭ノミ駆除したことで猫自体がきれいになっただけでなく、家の中に毛が落ちることが減り、清潔になった。当事者も掃除が楽になったと話していた。
・全体的に痩せ型の猫が多かったが、ノミ駆除をしたことと手術をしたことで食欲も増して毛艶もよくなり、肉付きも良くなってきた。
・初めての多頭飼育救済だったこと、病院も今まであまり利用したことがなく勝手が分からなかったことが、最初に考えていたよりも負担が大きくなった原因だったと思う。
・今回で要領を得たので、今後は運搬についても当事者家族などで協力できる人がいるか等確認し、計画的に行いたい。
・今後役場と連携をとってさくらねこ活動が行えるよう、今回の実施についても担当者に報告した。
どの地域にどういった状況があるかを直接伝えられた点では良かったと思う。
・また当事者宅が新聞販売店だったため、以前一般社団法人動物愛護の会アベニールで作ったさくらねこのビラを折り込みチラシとして入れてもらえることになった。高齢者が多い地域で、猫を飼っていてもさくらねこを知らない人が多いので、周知・啓発のきっかけになった。
どうぶつ基金スタッフコメント
今回のケースは、愛護団体からのアプローチで多頭飼育が発覚、飼い主が増えすぎた猫に対応を苦慮していたことが分かった。
飼い主が不妊手術に対して協力的であったこと、今後猫を減らして生活の改善を図りたいという前向きな姿勢があったことが、全頭不妊手術完了に至った成功例と言える。
また、愛護団体のサポート体制もしっかりと整っているため、今後譲渡できる猫は健康面もケアしながら譲渡に努められることが望まれる。