群馬県高崎市多頭飼育救済支援レポート(団体枠)㉔
申請No.24
申請日:2019年12月11日
申請/実施責任者:群馬わんにゃんネットワーク
居住者:当事者(85歳、女)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護受給の有無:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:14頭
手術日:12月24日、25日、1月10日
協力病院:ふー動物病院(群馬分院)
チケット発行数:14枚
手術頭数:13頭(1頭は行方不明のため捕獲・手術できず)
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
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- 11月16日群馬わんにゃんネットワークの譲渡会に来た吉井町在住の方より相談があった。
- 当事者とは元々知り合いで、今年の春から子猫が増えだしたことを心配して何とかしなくてはと相談に来た。
- 高崎市動物愛護センターへ相談。「高崎市では、猫の避妊去勢手術の助成金を出しているのでそれで何とかするように」との回答。
- 高崎市保健所衛生検査課へ相談。「前に高崎市ではどうぶつ基金のチケットを実験的に取ってはいたけれど、再度取るのは上の許可が下りないので団体で対応してほしい」との回答。
- 築60年の自己所有2階建ての一軒家。1階は広めの土間があり、その奥にキッチンや風呂場があるが料理はしていない。キッチンあたりから猫は外に出入りが出来る。
- 居住スペースは1階のみで、6畳ほどの居間とその奥に万年床の寝室。その2部屋の前に縁側がある。玄関脇に階段があるが、当事者は足が悪いことから最近は2階へ行っていない。家が古いので階段に乗ったら壊れる可能性あり。
- あまり民家がなく、昔から住んでいる年寄りばかりの集落。当事者宅はかなり古く、手入れもしていない為、かなり老朽化している。
- 元々吉井町自体が捨て猫や捨て犬がとても多い地域であった。当事者は、成猫3頭(オス2頭、メス1頭)を飼っていたが、今まで殆ど出産しなかったので避妊・去勢手術する意思は全くなかった。
- 昨年あたりから増え始め、今年の春にも子猫が生まれた。当事者は年金暮らしで年齢的にも体力的にもこれ以上の飼育は無理と思われる。
- 避妊去勢せず、生まれた子猫は川に流せば良いと思っており、避妊去勢を一度は断るも、ボランティアと相談者が根気よく話をして(捕獲や送迎、費用の負担もない事をお伝え)、全頭の手術に同意してくれた。
- 子猫は成猫用の餌を食べるしかなく、痩せている。風邪も蔓延しており、近所の人も心配しているので、春の繁殖期の前に全頭手術をしたい。
- 当事者は一人暮らしだったが、腰椎圧迫骨折の為に入院しており、現在は無人。近所の方が餌やりと片付けに通っている。
- 譲渡できる4頭は群馬わんにゃんネットワークで保護しており、そのうち2頭は術後入院していた子で人馴れしていたりおとなしかった。
- もう2頭は一度当事者宅へ戻したが、人馴れしていたので群馬わんにゃんネットワークで保護し、里親募集に向けて必要な医療行為を行っている。手術できなかった1頭は「帰ってこない、死んだ」と当事者は言っている。
- 残り9頭のうち1頭(黒白)は当事者が飼いたいといっている。他の8頭も譲渡していいと言っているが、性格面や完全室内飼育できていない状況なので、群馬わんにゃんネットワークでの対応は不可能。当事者・親族・現在世話をしている近所の方・相談者で話し合いをするように勧めている。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
12月24日 | 5 | 6 | 0 | 11 |
12月25日 | 1 | 0 | 0 | 1 |
1月10日 | 1 | 0 | 0 | 1 |
計 | 7 | 6 | 0 | 13 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
・全頭避妊去勢手術ができたことで、今後増える事がないため非常に良かった。
・ワクチン接種したおかげで、風邪症状が改善した猫もいる。
・当事者が一切金銭的負担を負わなかったので親族等に負担してもらえたらもっとよかった。
・これを機会に近隣住民も避妊去勢手術の必要性を少しは理解してもらえたと思う。
・譲渡できる4頭の保護はしたが、残った9頭の行く末が定まらず、問題が解決したとは言い切れないことが反省。
どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育崩壊は地域の問題でもあり、解決するには、当事者への社会的な援助を含め、行政の積極的な介入が欠かせません。当事者との交渉や費用の問題などに対応するボランティア団体の負担は想像以上に大きなものです。ボランティア団体から寄せられた相談に対して、消極的な姿勢をとった行政は猛省すべきと考えます。
現場 | オス | メス | 性別不明 | 耳カットのみ | 合計 |