島根県出雲市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)㉘

申請No.28
申請日:2020年2月10日
申請/実施責任者:出雲市役所
居住者:当事者(72歳、男、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護受給の有無:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:22頭
手術日:3月12日、13日、18日、19日、27日
協力病院:ふじい動物病院
チケット発行数:22枚
手術頭数:22頭

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

    1. 詳細は不明だが、約10年前に元々飼っていた猫がいた。
    2. 飼っていた猫に加えて野良猫が住みつくようになり、餌付けを始めた。その後、繁殖を重ねて現在22頭になる。
    3. 当初は屋外で餌やりをしていたが、周辺住民の苦情を受けて室内飼育するようになり、繁殖制限のためにビニールロープで繁留して管理するようになった。
    4. 2018年夏ごろまで兄弟3人暮らしであったが、弟は転居、妹は2019年9月に入院し、そのまま施設入所を検討している。
    5. 元々は妹が世話をしていた猫であり、本人は猫を手放したいと考えている。
    6. 現在、年金と生活保護費で生活しており、経済的に非常に困窮している。
    7. 手術後の猫はいったん飼い主の元に全頭戻したが、現在は動物愛護団体主導で猫の譲渡先を探しており、飼い主が決まり次第引き渡しを行う予定。
    8. また、手術前(3月上旬)に子猫が2頭産まれたが、動物愛護団体に引き取られ、今後譲渡される予定。
    9. 2月12日に動物愛護団体、保健所、ケースワーカーが当事者宅を訪問し、自宅の掃除をした。
    10. 同日、2畳分の広さのケージを作成し、現在はビニールテープで繁留することなく飼育している。
手術日 オス メス 耳カットのみ
3月12日 2 3 0 5
3月13日 2 3 0 5
3月18日 2 3 0 5
3月19日 2 0 0 2
3月27日 2 3 0 5
10 12 0 22

【現場写真(支援前)】
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【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
・島根県内に協力病院がないため、隣県の鳥取県米子市まで猫を運搬する必要があった。
・今回に関しては、動物愛護団体の全面的な協力が得られたためスムーズに実施できたが、運搬時間や運搬用ケージの準備等で動物愛護団体の負担が大きかったと思う。
・手術後の飼育環境を整えるための整備として、既製品のケージを購入する余裕はなく、また頭数も多いため2畳分のケージを作成する必要があった。


どうぶつ基金スタッフコメント
「これ以上数を増やさないように」という当事者なりの対策だったとは思いますが、繁殖制限のためにビニールロープで繁留された猫たちの姿には胸が痛みました。一刻も早い飼育環境の改善と不妊手術が必要でしたが、島根県は協力病院がない空白県の一つで、手術を受けるには隣県へ移動しなければいけません。動物愛護団体とのスムーズな連携がなければ、迅速な解決は難しかったでしょう。今後も、それぞれが協力しあって成功事例を積み重ねていってほしいと思います。


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現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計