兵庫県太子町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)⑤
申請No.5
申請日:2020年4月23日
申請/実施責任者:太子町役場 生活環境課
場所:兵庫県太子町
居住者: 当事者本人(48歳、女、無職)、子(11歳、女)、叔父(79歳、無職)、いとこ(42歳 職業不明)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:60頭
手術日:6月19日、27日
協力病院:のら猫クリニック兵庫
チケット発行数:13枚(現場の猫の総数は60頭であるが、今回の手術前後にボランティア団体による不妊手術が行われたため、チケット申請は13枚となった)
手術頭数:9頭(2頭は死亡、2頭は里親が決まったためチケット4枚は使用せず)
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
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- 飼育し始めたきっかけや時期、当初の頭数は不明。
- 本人およびいとこには精神障害があり、避妊・去勢をしなければ猫が増え続けるという考えには至らなかった。
- それでも、増え続けた当初は少しずつ手術を行っていたが、金銭的な負担が大きくなり、最近は手術を行っていない状況である。
- 当事者および個人ボランティアが行政の窓口に来庁し、多頭飼育についての相談があった。
- 現場の猫の総数は60頭であるが、今回の手術前後にボランティア団体による不妊手術、保護や里親探し等が行われたことで手術が必要な猫は13頭となった。
- 手術予定だった13頭のうち2頭が死亡し、2頭は里親が決まったためチケット4枚が未使用となった。未手術で譲渡された2頭については、譲渡後に里親が不妊手術を行ったことを確認。現在、現場には約20頭が残っており、引き続き譲渡先を探している。
- 当事者は精神障害を患っており、現在の生活スタイルを変えることを理解するのは困難なため、このまま同じ場所に住み続ける。
- 運搬にかかった費用や状態が悪い猫の治療代は、ともに個人ボランティアが負担した。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
6月19日 | 0 | 5 | 0 | 5 |
6月27日 | 1 | 3 | 0 | 4 |
計 | 1 | 8 | 0 | 9 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
年度の後半に相談を受けたが、すでに2019年度中のチケット申請が終了していた。そのため、最初の相談からチケット交付までかなりの日数が経過し、その間に出産や状態の悪い猫の死亡などが発生してしまった。
当事業への取り組みは初めてであったため要領がわからず、個人ボランティアの方に頼ったところが大きい。
どうぶつ基金スタッフコメント
60頭に至った経緯は不明ですが、当事者は精神障害を抱えており、不妊手術の必要性を理解できていませんでした。早い段階で福祉関連のサポートが受けられていれば、状況は変わっていたかもしれません。当初から関わってこられ、行政による救済のきっかけを作った個人ボランティアの方のご尽力に感謝いたします。
また、行政にとっては初めての取り組みで苦労が多かったと思いますが、今後も発生するであろう多頭飼育の問題に積極的に関わってくれることを望みます。そのためのサポートができるよう、どうぶつ基金もチケットが通年発行できる体制づくりに力を注いでまいります。
現場 | オス | メス | 性別不明 | 耳カットのみ | 合計 |