北海道江別市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)⑭

申請No.14
申請日:2020年7月1日
申請/実施責任者:江別市役所 市民生活課
場所:北海道江別市
居住者: 当事者(36歳、男、派遣従業員)
居住環境:貸家/アパート
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:52頭(手術した猫39頭、手術済みで譲渡された猫4頭、死亡した子猫9頭)
手術日:7月10日、15日、17日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:35枚(申請時は頭数を正確に把握できておらず35頭分を申請)
手術頭数:39頭(手術を受けた猫の総数は39頭。うち4頭は協働ボランティアが手術費用を負担)

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

    1. 保護か購入かは不明だが10年ほど前に猫を1頭飼い始め、ほどなく2頭目を飼い始めた。
    2. 不妊手術をせずに2頭目を飼い始めたことで猫が増え始める。最初は里親を探して譲渡していたが、そのうち里親探しが難航して手に負えなくなり現在に至る。
    3. 当事者が居住するアパートの隣人から猫が心配だという連絡が入ったため、北海道と市で現地を確認。多頭飼育が発覚した。
    4. 当事者は経済的に飼育を継続することが難しいため、手術後はボランティア団体が全頭保護し、里親探しを行う。
    5. 35枚のチケットを申請したが、猫の頭数が正確に把握できていなかった。実際には未手術の猫が39頭いたため、4頭分は協働ボランティアが手術費用を負担した。
    6. 4頭は手術後に譲渡済み。未手術の猫4頭(子猫や出産直後の母猫)は、今後団体で実施予定、死亡した子猫は9頭だった。
    7. 支援後にアパートの清掃と原状回復が行われた。当事者は現場のアパートから引っ越し、現在は人も猫も住んでいない。
手術日 オス メス 耳カットのみ
7月10日 6 7 0 13
7月15日 2 0 0 2
7月17日 15 5 0 20
23 12 0 35

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
ボランティア団体や北海道と連携して猫を全頭保護することができ、今後も里親探しを行っていくことから、猫の保護という点でよくできたと考えている。
反省点は、初動にやや時間がかかり、子猫が生まれてしまったことや、当事者がもう少し主体的に関わることができればよかった。


どうぶつ基金スタッフコメント
それほど広くはないアパートの1室に完全室内飼育で52頭。誰が考えても異常な飼育環境です。今回のケースもたった2頭の猫から始まり、あっという間に手が付けられない状況に陥りました。最初は里親を探して譲渡を行っていたとのことですが、猫の繁殖スピードに追い付くわけがありません。不幸な命を増やさないために、人と猫がともに穏やかに暮らすために、不妊手術は必要不可欠です。
当事者は経済的な理由で飼い続けることが難しいため、猫たちは全頭保護され、今後はボランティア団体のもとで里親を待つことになります。このように多頭飼育崩壊の現場から救出される猫はごくわずか。全国でまだ表にでていない多頭飼育崩壊現場は山ほどあるでしょう。崩壊する前に止める、その仕組みづくりが急がれます。


2020年度 多頭飼育救済支援実績はこちら
多頭飼育救済に関するお問合せはこちら

最近の投稿
  • 10_埼玉県三郷市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)   
  • 1_滋賀県長浜市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
  • 13_茨城県日立市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
  • 18_福岡県宇美町多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 
現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計