茨城県取手市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)㉓

申請No.23
申請日:2020年9月2日
申請/実施責任者:取手市 環境対策課
場所:茨城県取手市
居住者: 当事者(66歳、男、無職)
居住環境:貸家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:約17頭
手術日:9月17日、10月15日、19日
協力病院:いながき動物病院
チケット発行数:17枚
手術頭数:11頭(6頭については幼齢のため手術できず)

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

    1. 2年前から野良猫に餌をあたえており居ついていた。そこにオスの野良猫(外飼いの猫の可能性もあり)がきて繁殖。子猫が増えていった。
    2. 知り合いに引き取ってもらうなどしていたが、猫の数が減ることはなかった。
    3. 取手市役所内で里親会を主催しているNPO法人から不妊手術を行うようアドバイスを受けたが、その時は手術費用がなく実施に至らず。
    4. NPO法人より手術費用は分割で返済可能と聞いたが、当事者が実行しないまま繁殖を繰り返して増えていった。
    5. 近隣住民からの苦情も多く猫を処分するよう迫られ、隣家や大家の指示に従って成猫4頭を自転車で捨てに行った。
    6. 当事者が知り合いに相談したところ、NPO法人「CAPIN 動物愛護を考える茨城県民ネットワーク(以下「CAPIN」)」なら助けてくれると言われて電話で相談。
    7. 猫を遺棄したことについて叱られ、CAPINと一緒に捨てた場所へ猫を探しに行ったが見つからず。不妊手術の必要性を聞かされ、不妊手術の実施と里親探しを行うことになった。
    8. 取手市がどうぶつ基金へ申請を行い、CAPINと協働して多頭飼育救済を実施。
    9. 当事者はコロナの影響により失業し、生活保護を受けている。自宅は猫が増えてごみ屋敷となっており、住み続けることは難しい。近くのアパートへの転居、もしくは生活保護を切り上げて働くことを考えている。
    10. そのため、CAPINが現場の猫17頭を全て引き取ることとなった。当事者には二度と動物を飼養しないことを約束させ、誓約書を提出してもらった。
    11. 幼齢のため未手術となった6頭については、4頭がCAPINの費用負担により12月5日に手術を実施。残り2頭については里親が見つかり、里親にて手術を実施したことを確認済みである。
手術日 オス メス 耳カットのみ
9月17日 6 2 0 8
10月15日 0 1 0 1
10月19日 2 0 0 2
8 3 0 11

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
猫たちはシェルターや預かりボランティア宅で元気に過ごしています。
コロナ禍で譲渡会が開けず里親探しに苦労していますが、よりスムーズに譲渡を進めていきたいと思います。


どうぶつ基金スタッフコメント
最初にNPO法人から不妊手術のアドバイスを受けた時、当事者が行動しなかったことが悔やまれます。
そうすれば、遺棄されてしまった4頭の猫たちも、今頃は元気に17頭と一緒に過ごしていたかもしれません。17頭の猫たちには、4頭の猫の分も幸せになってほしいと思います。

猫を遺棄することは立派な犯罪です。猫を捨てる時、当事者がいくら泣いたとしても悲しんだとしても罪は罪です。「迷惑な猫は処分すればよい」「迷惑な猫は捨てればよい」といった考え方では猫問題を解決することはできないと、今後も力強く訴えていかなければと感じました。

また、今回の案件ではボランティア団体が全頭を引き取ることになっていました。ボランティアの二次崩壊が多発している現状を踏まえ、申請行政にボランティア団体のシェルターを視察していただき、飼育環境に問題がないことを確認したうえで対応させていただきました。

※CAPINさんのブログでも今回の多頭飼育救済について掲載されています。
 里親になりたい方は、ぜひCAPINさんにご連絡をお願いいたします。
 https://ameblo.jp/capin-blog/entry-12625660121.html


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現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計